同性愛 -プラトンの子ら-

同性愛 -プラトンの子ら-

黒木りえ

(一次予選得点:15.5)

 はじめに「僕」が男性か女性か判断しかねて読んでいたため、うまく作品世界に入れなかったのですが、読み返してどうにか状況が分かりました。こういう素材を扱うと登場人物の心情を読むのがなかなかに難しいですね。
 「頼子が別れた相手」について全く描写されていないので、主人公の心情があまり切実に思えません。どちらかというと頼子に対する気持ちの方が強く受け止められます。それが狙いならもう少し作者の心情を書き込んでみると良い作品になると思いました。もしそうでないなら、説明が不足していると感じました。
 タイトルが内容と遊離して感じたのは私だけでしょうか。