初体験
初体験
クラモト・ヒカリ
女性の書く初体験話には、ほぼ無条件で「ほほう」と感心しているのだか、好奇心だけなのか分からないままに肯いているのですが、この作品にはあまり新鮮味が感じられませんでした。男どものする下世話な与太ばなしとあまり変わりがないように思えました。この内容なら描くべきは美樹ではなくて、その話を聞きたがる級友達の方だと思うのです。この終わり方では素直に面白がることは出来ません。主人公の視線の卑しさの方が前に出てしまって読後感の悪い作品になっています。