百円
京木 倫子
(一次予選得点:22)
ともすれば罪悪感や後味の悪さがでてくる素材を、力強く纏めた作者の力量に感心しました。朧げな理解で何となく分かったような気にさせる部分はありますが、その詰めの甘さがまた作品の持ち味のような気もします。理詰めで納得させるよりも、曖昧なまま相手を労われる友達の交流を描く方がよいかもしれません。
場面が現在−十年前−二十年前と三つに分かれているのは、この長さでは多少辛いようにも思えます。物語の展開上仕方がないのかもしれませんが、描写を整理しきれなかったように思えます。
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