事故

事故

有村 想

(一次予選得点:23.1)

 主人公は、本当は事故の被害者だったのですね。しかし、この際その男の言葉が真実でも偽りでも、関係ないようにも思われるのですが、いかがでしょう。ストーリー自体はうまく纏まっているのですが、意外性が足りないように思われます。「意外なところ」が結末でなく、男の言葉で暴力を振るう主人公の態度の方になっています。
 表現の上で「ぼく」という一人称が使われすぎているようにも思われるのですが、意図的にやっているのでしょうか。英語のように律義に主語をつけていくと、日本語はくどくなりがちです。