あまやどり

あまやどり

榊原末子

 作品の焦点が男にあるのか、女にあるのかがはっきりしません。どちらの人物に対しても描写が不足していて、最後のシーンの必然性が感じられません。絵面の面白さだけになっています。作者のなかでは、かなりしっかりとした設定があるのでしょうから、それを勿体つけずに書き込んでみて欲しいものです。
 「高そうな着流しを着ている」は理解に苦しみます。「着流しにすることを想定した和服はあるでしょうが、それを着流しとは言わないように思います。どんな着物でも袴を着けていなければ着流しだと思うのですが。