雨がやんだら
みやび ひろし
基本的なストーリーは、恋人たちのある日の出来事。本人たちにだけは大切な思い出。ハッピーエンドのお惚気小説なのですが、彼女が既婚者であるというひねりはあります。二人の関係の背後にある面倒なことどもは書かれていないのですが、いろいろな障害があるのでしょう。その辺りを考慮して読むべきかもしれません。ただ、それならばあえてそれを想像に任せるのではなく、しっかりと書き込んでも良かったのではないかと思います。
雨が降り始めてから上がるまでが、構成上短すぎるようにも思います。天候の変化を物語に絡めたいなら、もっとずっと雨が降って最後にすっと光がさしこむ構成の方が効果的だと思いました。
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