紫陽花の頃

紫陽花の頃

山崎 清彦

 先週の「はなび」の後だけに損をしていますね。完全に被っています。子供の頃の不都合な記憶を封印しているというのは、多くの神経症の患者で指摘されてきました。ですから、このような事があるというのは事実です。しかし最近はこの手の作品が大流行で、一時のサスペンス映画は、みな精神異常者による犯罪で幼いことのトラウマが関わっているという有様でした。ですからこの手の話を作品に仕上げるには、一段高い構成力が要求されているように思います。もうひと工夫欲しかったところです。