さようならの走り書き

さようならの走り書き

薗田慎平

 現在の物語というよりは、少し経ってから主人公が回想しているのでしょうか。「はくつる」の発車時刻は現在、22時23分ですから。辛い目に遭って行くところといえば、結局ふるさとになってしまう。スカートを洗濯してもらった事が思い起こされるのも、母に心配を掛けると分かっていながらもそれを選んでしまう心情が伺われます。何年も都会で暮らしながらも、結局ふるさとに心を残しているのでしょう。
 タイトルがなぜ「さようならの走り書き」なのかは理解できませんでした。そんなに重要には思えなかったのですが。