家族の肖像

家族の肖像

瑕瑾

 こういう作品が描くものが、つまりは日常のことどもを無形文化財にして保護しなければならない社会であろうとは想像がつきます。しかし、それが具体的にどんな社会で、なぜそうなったのかがどうにも思い浮かびません。もちろん読者の想像力の問題とも言えるのですが、作品にそのためのヒントが全く見出せないのも事実です。肝心の部分が見えないもどかしさを憶えました。