殺意

殺意

よしよし

 ええい、この幸せ主婦が。そういう作品です。殺意を表現する部分にリアリティが欠けているようにも思われますが、一転して幸福感を表現している部分では筆力を感じます。この落差はなんなのでしょう。夫の性格にもう少し言及されていれば、夫婦の会話や喧嘩の場面が生きてきます。
 細かなところで、「夫の頼まれていた旅行の予約を忘れてていたのである」では夫が誰かに頼まれたのを、さらに主人公に頼んだように読めてしまいます。「ベット」は「ベッド」に、「風引くよ」は「風邪引くよ」に、「気が治まらない」、「気の納まらない私」はどちらかに統一するべきです。