クラス編成オークション

メトロ

　今回の作品もどうもよく分かりません。なぜ教師が生徒を獲得するために金を出すのでしょう。ひとりあたり一万円としても、四十万円近い金額がどこから出てくるものか分かりません。逆に不良を引き取るといくらか手当てが付くという話ならありそうなことですが。シチュエーションだけで別に展開もありません。この作品もそういった事は無視して、部分部分で面白がるべきなのかもしれません。「歩く人身売買」という比喩に「おいおいオークション自体が人身売買だって」と突っ込むのが正しい鑑賞法でしょうか。
　もしかしたらこの作品の命は、最後の売春娘についた「三万円」の金額の微妙さ、その一点にあるのかもしれません。