おーぎや

 人間関係が複雑なお話です。ほとんど説明のないまま進むので、読み解くのにかなりの労力を使ってしまい、物語を味わい損ねてしまいました。どうやら、主人公の美津子と妹のるみは、異母姉妹のようです。るみの母親の和美に対する気持ちが、この物語の中心になっています。主人公は、るみの恋人であるはるおみの母親が、自分の母だと思っています。そうした好ましくない状況でも落着いて優しい微笑みをみせる和美に、主人公は心を安らがされています。タイトルは妹ですが、実際には和美さんのことが中心のお話になっています。
 この長さにしてはあまりに複雑な人間関係だったのではないでしょうか。少なくとも実際に登場する人物は二、三人が良かったと思います。あるいはもう少し明確な説明があった方がいいように思われます。