しあわせ
しあわせ
旅人
しあわせな家庭を、正面から描いた作品です。「しあわせ」というタイトルをみると、「どう不幸せなんだろう」と期待してしまう邪悪な読者を裏切って、まっすぐに勝負しています。しかしながら、父母が感じている幸福感と、拓也くんが感じている幸福感は必ずしも同じ物ではないはずです。
そのあたりが、曖昧なまま結末を迎えてしまったのが、食い足りない感じがします。もうすこし、家庭における幸福が実体を伴ったものとして感じられるような工夫が欲しいところです。