月夜

月夜

孔蘭 葉

 大体において、胡散臭い神様や仙人が願いを聞いてくれると、碌なことがないのですが、このお話は、実に幸福感に満ちています。いろいろと現在の生活に不満はあるものの、最も根源的な部分では幸せなのだということを、山に一人横たわり主人公は思い至るのです。その幸福感を、冷たいミネラルウォーターがしっかりと肯定してくれるのが、この作品の力になっていると思います。