わんぱく園
渡辺敦子
あまりにリアルで、フィクションという感じがしません。母親からすれば、こういった不安や迷いがあるのだと思われます。実社会の仕組みもまたかくのごとき物と思われます。
ただ、小説としての説得力としてはやや弱い気もします。事実を淡々と連ねるだけでは、作品としての焦点が定まりません。千字の作品にしてはいろいろな場面を詰め込みすぎて、やや駆け足な感じです。あらすじを読んでいるようと言えばよいでしょうか。子どもの言葉は素晴らしいできなのですが、最後に母親のことを述べてしまったのは、蛇足のような気もしました。
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