最後の埠頭

最後の埠頭

薗田慎平

(一次予選得点:20.5)

 人は最後まで自分としてしか生きられないということでしょうか。その生き方が素晴らしいと思えるものでも、悔恨で振り返るものだとしても、自分の生きた時間は愛しく思われるのではないでしょうか。淳二は自分の死を意識したときに、この世の中の愛しさを再認識出来たのです。たくさんの仲間や取り締まり側の登場人物は出てきますが、この物語は、淳二の個人的な心の物語のような気がします。