記憶喪失ショウ

記憶喪失ショウ

紺詠志

(一次予選得点:20.5)

 アイディア一発勝負な作品ですが。今一つ切れ味に欠けるのではないでしょうか。タイトルを読んだ時点で、そういう番組が想像されるのですが、トドロキ先生が力不足でその治療方針にちっとも説得力がありません。現に何らの効果も挙げられません。本来なら、両者の息の詰まるバトルがあってこその作品だと思うのですが。「トドロキ先生とタナカさんの、熱いバトルが始まった」だけでは、その辺りが生きてきません。両者の気持ちや人物像も描き切れておらず、例えば、タナカさんは勝利を喜んだのか、悲しんだのか、無表情だったのかさえわかりません。一本調子な展開を見直して、作品としての体裁を整える必要があると感じました。