もの

もの

柏木雅博

(一次予選得点:21)

 初めの主人公の言葉を読んだ段階で、結末が予想されてしまうのが残念です。この作品の大切な部分が謎解きにあるとしたら、失敗といわざるをえません。男の作っているものがすなわちこの作品だとしたら、その製作が始まった途端に、何が出来あがるか世間の人に見抜かれているようなものですから、そのものの多義性や想像の余地が失われてしまいます。