ぶたまん

ぶたまん

の★

(一次予選得点:22)

 娘が心を決めて男を連れてくる。これは男と男の闘いではなく、哀れな父親と希望に溢れた娘の闘いです。もともと親父に勝ち目はない。たとえ「ぶたまん」があろうとなかろうと。ですから運命論の題材にこれを選ぶのは、ある種の詭弁にすぎません。しかしながら、そうしてあきらめていく過程のいろいろを描いて見せる上で、この仕掛けは有効に働いたようです。
 この作者は前回も関西ならではの舞台を設定して、好作品を生み出しました。今回も「ぶたまん」という小道具をうまく使ったようです。ただ、後者の場合には「ぶたまん」がもう一つ聞いていないようにも思います。ある程度関連した筋書きを用意して欲しかったところです。