戎橋の神様
の★
(一次予選得点:31)
この作品は、他の作品より抜きんでていたと思います。いつになく実力差のついた予選でした。
戎橋というきわめて雑然とした場所を舞台に、逞しく生きていく庶民と、神様としての人生を送る男を対比してみせる好作品だと思います。どちらの生き方が幸せかは、読者一人一人で違うでしょう。それでもきっと主人公たちは、明日も戎橋に立ち、漫才をするでしょう。
誰かを神様だと思う話は、過去にもたくさん書かれているとは思いますが、自分なりの作品にできていると思います。火を吹く大道芸人も無関係なようでいて、全体のテーマにおいて重要な役割ができています。ビクターの犬のすぐ後にカーネルサンダースが出ていることと、おっちゃんの台詞がやや未整理で読取りにくくなっているのが残念です。
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