雌伏
勝郎
この人工知能は、会社組織ではなく個人が作っているのですね。人工知能が人間に反旗を翻すフランケンシュタインコンプレックスは、自動機械が成立した瞬間から人間を捉えてきました。それがまた、不完全なコピーしか作れない人間にとっての理想でもあったからです。ここに出てくる人工知能はその理想を体現しようとします。まさにそれに成功したとき、理想の人工知能は平凡な人間になってしまうわけです。堕落。その視点が良いと思います。
細かなところになりますが「カメラとマイクを装備し、標準のスピーカーを合わせ、五感のうち三つを得るに至った」は誤りでしょう。スピーカーはセンサ(感覚器)ではないはずです。
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