暗闇の記憶
sone
後天的な事由で視力を失うことが、丁寧に記述されています。しかし、そのことが主人公にどういうものを奪い、どういうものを与えてくれたのかについて書き込みが足りないように思われます。単なる不幸自慢に終始した印象です。自分の過失もなく、大切な人を失った。自分も視力を失った。そのことは確かに不幸なのですが、それだけで作品を維持するのは無理なように思います。主人公の甘えが、作品自体の構成にも悪影響を与えているように思えます。もっと主人公に深い思慮を与えることで、主題の掘り下げもやりやすくなるように思えます。
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