徒競走

徒競走

半下石コナン

 最後の一行が、この作品の価値を落としているように思います。マラソン大会と、カメという、いかにもな素材を組み合わせているのですが、カメに意外な行動を取らせていることでおもしろいものになっています。カメが本当にそうした行動が取れるのかは、多分否でしょう。しかし、それが(少なくとも小説の中では)本当のことだと読者に感じさせることができれば、それを見た主人公の思いが効果的に表現できます。提案ですが、話の構成を逆にして、カメに会った場面を先にして、その後でマラソンの話に進んでみてはいかがでしょう。より効果的になると思います。
 これだけの内容でタイトルに「徒競走」と付けるのは読者には唐突な印象を与えると思います。もう少し、説明が必要ではないでしょうか。