壊れたもの

壊れたもの

砂時計

 この作品にスケッチ以上の物を求めたものかどうか、ちょっと考えさせられます。基本的には、死体の切断の情景が淡々と描写されているだけの作品です。作者が語っている部分は「なんで、こんなことになったんだろう」という呟きと「絶えぬ涙を流しているようだった」という描写、それにタイトルの「壊れたもの」だけです。素直に、スケッチとして捉えるのが妥当かもしれません。スケッチとして評価すると、今一つ新しさに欠ける作品になってしまいました。表現に独自の視点が無く、また読者の五感に訴えかけるものが少ないのが残念です。