アケミ
Mいとう
(一次予選得点:16)
やや、狙いがぼやけたように思えます。「何かに憑かれたに違いない。そんな非科学的な事が頭をよぎる」と否定しているだけで、アケミがなぜそうした行動を取るのか全く説明がありません。それはそれで、読者が納得できます。ただ、アケミの正体がはっきりしないこと、さらにあまりその容貌や言葉が描かれていないことで「そんなアケミが大好きだった」が生きてきません。本気で言っているのか、そう嘯いたのかは分かりませんが、最後の言葉には命の尽きる間際の凄まじい思いが無くてはならないように思えます。
単に危機から逃れられるかというサスペンスや知恵比べとして書いているのなら、もう一つひねりが足りないようですし、力点をどこに置くかを再考すべきだと感じました。
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