小人
Mいとう
(一次予選得点:14.5)
ケンちゃんは、本当に小人を見ているのでしょうか。妖精は子どもにしか見えない、と言われます。大人になると、そこにいるものが見えないのです。ケンちゃんは、友達がいなので、小人が見えるのかもしれません。ただ、この小人は夜中に靴を作ってくれるような親切でもなければ、他愛もない悪戯をするような明るいものではなさそうです。破壊、攻撃、憎悪といった性格が出ています。してみれば、これはケンちゃんの意思こそが小人の正体なのでしょう。彼を疎ましく思った主人公は、その途端に小人に侵入されたのですから。「キャリー」に共通の、孤独な心が描かれた作品だと感じました。
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