エスパー村の憂鬱
メトロ
(一次予選得点:16)
この作者の好きらしい会話だけで進む話です。一体いつの時代のどんな村なのかは不明ですが、それが作者の世界なのでしょう。ゲシュタポ、エステ、キャバクラなどが脈絡無く配置されています。こうした、スラップスティクな世界が狙いだと思われます。
超能力(千里眼やスプーン曲げ)といったいわば役に立たない精神文明しか持たない村の人々が、外の物質文明世界にあこがれるさまが描かれています。村を頑なに守るであろう長老が、やはり外の世界に誘惑を感じるあたり、現在の僧侶の様なものも感じられます。もっとも作者が、こうした文明論を論じるためにこの作品を書いたかといえば、はなはだ疑問ではあります。この作品は、お笑いとしてだけ読むべきなのかもしれません。
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