近視カメラ

近視カメラ

ましも おさむ

(一次予選得点:18)

 うまくカメラの後ろにいる人間を描いた作品です。今の時代に8mmというのもどうかと思いますが、もしかしたら10年以上前を舞台に設定しているのでしょうか。それなら、「最新型」といった描写で示して欲しいところです。
 カメラはいろいろなものを撮ることができます。しかし、その被写体に対する思い入れこそが、撮影の原動力になります。それが失われたとき、カメラの存在価値が失われてしうのでしょう。そうしたことを、過剰な表現をせずに、簡潔に描いた秀作といえます。文章の仕掛けも大変巧みな作品だと思います。