心配
マロン吉川
小説が終ってから、物語が始まるような作品です。書かれていることは、まさに現状の説明であり、本当のドラマは、消防車が走り去ったあとに起こる。そう暗示する内容です。千字の制限を倍に使う、うまい手法だと感じました。妻の行動は容易に想像できますが、はたして、主人公がどう行動するのかは、読者によって解釈が分かれるところでしょう。作者はある結末を持っているとは思いますが、ある部分読者に委ねているのでしょう。それもまた一つの手法だと思いますが、公募のような形では作品の力が十分にアピールできないようにも思われます。
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