おかしな彼

おかしな彼

Matock

 いつもながら、真っ向勝負の作風です。自分の考えをそのまま登場人物に移し替えて、対話させることで問題を明らかにしていきます。この場合の学校や図書室は、単なる洞穴であって、重要な意味はないといってもかまいません。会話の内容だけが、この作品を支えているといっていいでしょう。
 対話の内容は、抽象的で読者が丁寧に読んでいっても理解しづらいところが多いように思えます。面白いとか、つまらないという以前に、作者の真意を探ることがなかなかに難しい作品だと思います。サービス精神とは言わないまでも、もうすこしヒントを出してくれても良いように思われます。