平穏
来戸 廉
(一次予選得点:14)
家庭の淡々とした日常を描いた作品です。作品全体が、タイトル通りの平穏で、落着いた雰囲気があります。ただ、最後の文章は出来事に対してあまりに感受性が乏しいようにも思えます。もし、これを平穏としか感じないのであれば、多分妻は悲しい思いをしているように思えます。それをあえて狙った作品ならば、それを匂わせる必要があるでしょう。子どもとの入浴や食事の描写もそっけなく、場面が浮かんできません。子どもの性別さえ分からないほどです。あえて、細かすぎるぐらいに描いた方が、最後の部分が生きてくるように思うのですが、いかがでしょうか。
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