均衡

均衡

羽鳥 遊姫

 描写の視点が一定せず、分かり難い文章になっています。会話の主が分かり難かったり、青年の説明が筋道だっていなかったりといった部分です。そのため作品の内容に素直に入り込めませんでした。
 人形師、すなわち他者を操るものが、この世の出来事を左右する神のような存在として表現されています。さしずめピエロは天使なのでしょうか。恋愛は、そうした存在のちょっとした悪戯によって生まれてくる、という古典的なシチュエーションをそれなりに消化した作品といえるでしょう。