非常食
KAZUKA
(一次予選得点:17.5)
二人の関係が説明されておらず、なぜ彼女がそうした行動をとったのかが分かりづらく思います。彼女が彼をどう思っているのか、二人はなぜ冬山に来たのか、といったことが多少なりとも描いてあればと思います。一方、最後の部分はくどいように思えます。結末が読者に分かっていながら、延々と終わらないのはじれったさを感じます。さらりと終わった方が、この作品の味が出ます。
細かなことですが、冬山の描写で「ぺんぺん草ひとつ生えていない」は不自然だとおもいます。この表現は、荒れた手入れのされていない土地でも生えることができる「ぺんぺん草(大根・なずな)」も生えないような不毛の地を表すものです。「何もかもが厚い雪に覆われてしまっている」とか「凍てついた大地には苔すらも生えていない」といった表現にすべきでしょう。
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