電池
Mいとう
(一次予選得点:18)
この作者の特徴は、社会的な話題を取り上げながらも、それを理屈で追求していくというより、物語性や状況の描写をすることで作品を成立させようとする姿勢だと思います。今回の「写真」や「白」にもそうしたものを感じます。この作品の良い点も、有名な「カブトムシの電池」という話題を取り上げながら、結末はそのことに対する批判にこだわらなかったことでしょう。
テーマは、ややありふれているかもしれませんが、作品としての纏まりがあって、読みやすく思いました。書き方によっては恐ろしさを強調する作品にもなるものを、あえて最後の台詞を書くことで軽快な読後感を与えています。
推敲とチェックが不足したのか、書き間違いや不自然な文が残っているのは残念です。
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