お人形

お人形

まふ

(一次予選得点:20)

 意図してやっているのでしょうが、地の文が「〜なの」という文体でありながら、主人公は「都会の一人暮らしって嫌ぁ!」といった言葉遣いなのが、少し気になりました。現在の出来事のスケッチとしてはしっかり書けていますが、その背景が読取り難いのも残念です。最後に「お姉ちゃん」のことが出てくるのですが、彼女を想像させる材料が無く、物語に奥行きがなくなっています。背景を示唆することで、作品の世界が時間的にも何倍も広がるはずです。作者の中にはいろいろな背景や思いがあると思うので、それを読者が想像できるよう、材料を提示して欲しいと思います。