「事実と虚構について」

回答者のプロフィール(性別)
男性7
女性2
あなたは架空戦記
(多くは新兵器や後知恵によって第二次大戦の日本軍が活躍する)を
読んだことがありますか
読んだことがある8
読んだことがない1
質問の意味が分からない0
過去の戦争などを舞台としながら、史実では起こり得ない
物語を執筆することについて
どう思われますか
おもしろければ、かまわない6
読者に誤った歴史観を与えかねないので避けるべき2
よく分からない1
実在の人物を取上げ、
資料などに縛られない独自の解釈を加えた作品に
ついてどう思われますか
(実際の事件の犯人の心理を描く・
実在の芸能人についてのフィクションなど)
小説なのだからかまわない4
描かれる人間の人権を考えると避けるべき5
よく分からない0
あなたは、自分の作品に実在の人物名を登場させる
ことを肯定しますか
読者が楽しめるなら構わない2
小説にはあまり実在の人物名を登場させない7
よく分からない0

●コメント●

確かに史実が「ここがこうだったら」ということを想像するのは楽しいのですが、
でもそれがあまりにも虚構であればあるほど面白さが減る、と考えています。
史実すれすれのところでちょっと変えている作品は面白いですね。
例えば歴史モノというのは、エンタテイメント性を高めるために、
いろんなエピソードを加えるなどしている。その程度の虚構であれば
納得できます。
戦争モノは、最初はもの珍しくて読んでましたが、最近は辟易しています。

 「じぶんでは書かないが、読むぶんにはこだわらない」というべきなのか、「読むぶんにはこだわらないが、じぶんでは書かない」というべきか、史実改変もの、という一ジャンルとして、古くは(小説ではありませんが)「ベルサイユのばら」というものもありましたし、あまりこだわりなく読みます。
 それがきっかけで歴史に興味をもつケースもありますし、そもそも小説なんて、「実在の人物・団体・(略)には関係ありませんよ」と謳っている世界ですし、「禁じ手」というものは存在しないと思っています。究極的にはその作品の完成度のみが問われるものですから。
 もちろん、史実として興味のない題材であるために小説としての出来にかかわらず手がのびない、ということはありますが(例えば私の場合だとナチス、新撰組、宮本武蔵など)、それもまた、「ジャンル」によって手が出ない、という状況とさして変わりはないようにも思います。
 まとまりのない文ですね。すみません。

6番目の質問について

第二次世界大戦の架空戦記については、
読者に基本的な歴史・現状認識が必要だと思う。
(侵略戦争であるかどうか意見が分かれているが、
 (個人的には侵略に決まっていると思うが)、
 日本軍のために苦しんだ・苦しんでいる、
 多くの人が存在するという認識)
その上で読むなら構わないと考えている。
まだ完全に過去の歴史にはなっていないので、
日本人はアジア諸国に対して
それぐらいの配慮が必要だと思う。

それ以外の架空戦記(信長が幕府を開く等)
は問題ないでしょう。

7番目の質問について
フィクションだと断ればいいと思います。
ただ自分の好みではないです。

8番目の質問について
実在の人物名を登場させるときは
たいてい読者にその人物についての
基本的な認識を要求することになります。
要求しなかったとしても
基本的な認識がなければ
読もうと思わないでしょう。

結局、読者が限られ、
普遍的な小説にならないような気がするので
ぼくは登場させません。

 今に生きる私個人としては、架空戦記は全然かまいません。しかし、特に近世を扱ったものの場合、今現在ではifがifとして読者に認識されていますけれど、羅貫中の小説『三国志演義』に描かれる史書に反した諸葛孔明の天才軍師ぶりが一般的イメージとして定着していることを考えますと、のちのち(千年ちかく経って)史観を歪める書になる危険性が多少なりともありますね。フィクションであることを、とことん強調すべきかと思います。作中で触れるのが一番良いのかもしれませんが、それじゃあ読者は冷める。「そんな未来のことなんぞ知るか! 気にしてたらなんも書けんわい」と開き直るがいいのかな。


 個人的に歴史が苦手なもので、何ともコメントしづらいものがありますが。
 弥生時代を取り上げた作品に対して思うことと、WWIIの頃の物語とは、また感じ方も変わってくると思います。

 弥生時代なら「ホントかそれは」
 WWIIの頃なら「いいのかそれは」

 というのが正直な気持ち。その時代のどこかで歴史の陰に埋もれた話みたいなものなら許せそうな気がします。
 実在の人物が出てきたら、「おまえ、そいつから聞いたのかぁ」と思ってしまう。根本的に歴史書からして怪しんでしまうタチなもので。
 極端な話、例えば、昔の壁画を見て「これは神を表している」とか言われても「ホントか」と思ってしまう。
 大昔の人がおちゃらけで描いたとか作ったという発想が浮かばない(というかそんなこと考えたらキリがないんだろうけど)のが、どうもな、と思ってしまう所以です。

 まぁ、書けないから、そこまでにしておきます。


 アンケートのテーマは「事実と虚構」ですが、設問に答えようとすると、もうちょっと重いテーマに踏み込まないといけないようです。

 作家は歴史をどう扱うべきか?

 個人的には歴史を誤って描くべきではないと思うし、最近の作家が取材もろくにせずに小説を書いていることに関しては、あまり快く思ってはいません。それを「創作」と呼ぶことも自由ですが、作家の怠慢によるご都合主義ではないかと思います。  もちろん怠慢な作家がいてもかまいませんし、ご都合主義が悪いと決めつけるわけではないのですが、私はそういうものを読みたくはありません。


自分の小説で実在の人物を登場させたことはありませんが・・・。
書かれた本人が、それで良いというのなら良いのではないでしょうか。
過去の人物ならなおさらだと思います。
それを読んで、どう解釈するかは読者が決めることで、
書き手は好きなように書いて良いのではないでしょうか。
ただし、もし自分のことが勝手にアレコレ書かれていたら嫌ですね。
(私のことを書く人はいませんが)
自分で嫌なので、私はあまり実在の人物を使いたくないです。


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