気合いスフィアと落描きスフィアの中間。

     
 

我はうつせみの人にあらず、
穢き霊の仮に形を見えつるなり


ラフに色つけたら背景が寂しかったので、少し暗くして幻光虫飛ばしたら死人の怨念漂う絵に…。上の文句は上田秋成という江戸時代の作家の怪奇モノ短編集『雨月物語』の一編『菊花の約(きっかのちぎり)』から。自害して果てた武士の亡霊が義兄弟の契りを結んだ弟の許へ帰り、『自分はもうこの世の人間ではない、汚らわしいあの世の魂が人間の形を借りて現われたものなのだ』と言うセリフ。渋殿を見てるとこのセリフが時折頭をかすめます。

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