お気に入りルアー
 
第1回 シャッドラップラパラ SSR−5(ラパラ)



 25年前にバス釣りを始めた方には定番のルアーでしょう。
 このルアーとの出会いだが、昔の釣行データを紐解くと、このルアーで釣った最初の記録が85年4月なので、この84年頃に入手したのだと思う。
購入したのは茨城県にある増山釣具店というお店だった。一目見て「これは釣れそう!」と思って購入した。
シャッドラップラパラには潜行深度によって2つのタイプがあるのだが、最初に手にしたのはSSR(スーパーシャローランニング)というリップが「L字」に曲がったタイプのSD(シャッド)カラーだった。この写真がまさにそれである。
 シャッドラップラパラシリーズはデビューした当時、アメリカで大センセーションを巻き起こし、あまりにも釣れるため店頭からあっという間に姿を消し、
プレミア価格がついた伝説がある。当時はそんなことを知る由もなく、店頭で見た時のインスピレーションで購入した。
 このルアーがデビューしたのは確か82年頃だったと思うので、私の入手した時期を考えると、アメリカでの大センセーションがちょっと落ち着いて日本の店頭にも並び始めたか、たまたま店頭に並んでいたのを入手したのかどちらかなのだろう。
 このルアーは当時の私のホームレイクである新利根川で使用した。使い方は、投げてただ巻くだけの「ステディー・リトリーブ」と、オダの中に放り込んで、オダに引っ掛けて外す、今で言う「ハングオフ・テクニック」だ。
 この頃のバスフィッシングといえば、1匹釣るのに大変な苦労をしていた時代だったのだが、このシャッドラップラパラを入手してからは、
コンスタントにバスが釣れるようになった。
 車の免許を取得し、行動範囲が広くなると、当然、バスフィッシングへ通うフィールドの範囲も広がっていき、大学生時代は、友人達と河口湖に通うようになったのだが、ここで活躍したルアーもシャッドラップラパラだった。
 この頃の河口湖は、アベレージサイズが22〜25cmで、とてもフィッシングプレッシャーが高く、皆、「マス針リグ」なる極小のガン玉(スプリットショット)と2インチ程度にちぎったワームをマス針にチョン掛けしてウィードや溶岩帯でフワフワと引いてくる釣りが全盛の時だった。
しかし、そんな時代でも、このルアーはかなりの確率でバスを誘き出してくれた。ただし、釣れるサイズは25cm程度だったが。
 90年代に入ると霞ヶ浦や北浦でバスが釣れはじめ、私も通うようになった。この頃になると、私のバスフィッシングのテクも、ちょっとは上達し(?)、色々なルアーの使い方を覚えたが、それでも、シャッドラップラパラは外せないルアーだった。
 新利根川や河口湖では、先にも述べたSSRタイプを使っていたが、霞ヶ浦や北浦ではもうちょっと深く潜るSR(シャローランニング)タイプを中心に使った。1〜1.5mのシャローのボトムをゆっくりタダ巻きしてくると、グッドサイズがバイトしてきた。
 さて、最後にこのルアーのシークレットを一つ。それはルアーのカラーでである。私のお気に入りのカラー、、、というか、ほとんどコレしか使わなくなってしまったが、それが「SD(シャッド)」カラーである。
このルアーを最初に手にしたのが偶然にもSDカラーなのだが、明らかに他の色との釣れ具合が違うのだ。
しかし、残念ながら、このカラーは数年前のモデルチェンジの時に、色合いが変わってしまった。今もSDカラーのラインナップ自体は存在するが、同じSDカラーでも昔のくすんだシルバーではなく鮮やかなプリントカラーになってしまった。
この旧SDカラーは手元に15個ほどあるのだが、もうこのストックを慎重に使っていくしかない。



第2回 マッドペッパー・マグナム(ティムコ) 



 バスフィッシングの中でどんなタイプのルアーを使った釣りが好きか?と聞かれたら、私は間違いなくディープクランキングと答える。それくらい、この釣りは面白いと思う。
1オンス(約28グラム)近い大きさのプラグを思いっきりブン投げて、グリグリ巻く豪快な釣りは、他のルアーではちょっと経験が出来ない。
また、ひったくるような激しいバスのバイトや、釣れてくるバスがグッドサイズであることも、この釣りの魅力である。
 正直、私もこのルアーを使いはじめた時には、あまりにもルアーのシルエットが大きいので、「本当に、こんなルアーで釣れるのか?」と思ったものだった。
 私がこの釣りを始めたきっかけというのは某釣り雑誌の、ある記事だったのだが、その記事では、北浦でのディープクランキング、特に浚渫での釣りについて書いてあった。
 その頃の私は、ボートフィッシングの駆け出しの頃で、魚探で地形を把握してバスを釣るという楽しみにハマりかけていた時だった。
だから複雑な浚渫の地形を魚探で把握し、しかも、こんな大きなプラグで釣れたら面白いだろうなあという単純な理由だけでビッグプラグをいくつか買いこんで北浦へ向かった。
 今までの経験上、釣り雑誌の記事を鵜呑みにして良い思いをしたことはほとんどないが、この日の結果は、驚くべきものだった。
 この日、合計6本のバスをディープクランクで獲ったが、中でも
浚渫のハンプにボトムノックさせてディープクランクをひったくっていくバスのアタックの激しいこと!もう、この一日だけでディープクランクの釣りにハマってしまった。
 それ以来、色々なディープクランクを使ってバスを釣ったが、中でもダントツな釣果を見せたのが「マッドペッパー・マグナム」だった。
 このプラグについては今更説明するまでもないが、あの今江克隆プロはじめ、トーナメントのウイニングルアーとしても数々の伝説を残したルアーである。
 マッドペッパー・マグナムは、このカテゴリーのルアーとしては国産として初めて本場アメリカのルアーに対抗できる実力を持ったルアーだと思うが、アメリカのディープクランクにはない、いくつかの特徴を持っていた。
 まずは、今は搭載が当たり前になってしまった重心移動システムである。ディープクランクの釣りで重要なこととして、どれだけ長い距離を引けるか(プロダクティブゾーンを長く確保できるか)ということが挙げられるが、それはどれだけ遠くにキャストできるかということでもある。
 アメリカのディープクランクは重心移動システムを搭載しているものはなかったし、特に風が強い日などは、それでなくても空気抵抗が大きいルアーなのでバックラッシュとの戦いになってしまう。だから、重心移動システム搭載は他のルアーに比べて大きなアドバンテージになるのだ。
 次に挙げられる特徴は、ルアーの動きである。アメリカのディープクランクの動きというと、DD−22(ノーマンルアーズ)のようなワイドウォブリング、つまり大きくガタガタと動くか、DB−3(バグリー)のようにヌルヌルと動くものが大半だったが、マッドペッパーマグナムは小刻みなウォブリングアクションであり、このような動きをするディープクランクは存在しない。この何とも言えないプルプルという動きがバスを惹き付けたのだと思る。
 私のマッドペッパー・マグナムの使い方なのだが、3〜4mの
ボトムをひたすらノックさせる、という方法が一番実績をあげている。中層を引いて良い思いをした経験は私の場合はほとんどない。
大体、3〜4mに絡んだ地形の変化やハードボトムのエリアをみつけてひたすら底を叩きまくる、これで結果が出ている。
目いっぱい遠くにキャストしたら一気にボトムまで潜らせ、ボトムに到達したら、出来るだけボトムを叩ける最低のスピードでボトムをトレースする。そして、いつくるかわからないバイトに全神経を集中させる。
 この釣りは、数投で決まる釣りではない。私の場合は少なくとも、2〜3時間、大抵の場合はまる一日この釣りで押し通している。それくらいの覚悟が必要である。
 
バイトはボトムノックさせている時に来ることがほとんどだが、次に一番多いのがボートの真下にルアーが来た時である。
ボトムノックしたルアーはボートの真下に来るとボトムから離れて急激に浮上するのだが、その時に非常にイレギュラーなアクションをする。
その時にいきなり「ガツーン」とバスがルアーをひったくって行くのだ。
普通、ルアーが手元近くまでくると、次のキャストに備えて早くルアーを回収しようと考えがちだが、ディープクランクの場合は、ルアーがボトムから離れた瞬間は絶対に気を抜いてはいけない。
 ディープクランクの釣りがハマる季節だが、私の場合は、10月から12月がメインとなる。
この季節では、湖全体が適水温になるのでバスが色々なところに散らばってしまい、ファーストムービングでのルアーの方が勝負が早いこと、ワカサギなどのベイトがボトムで群れをつくること、秋はベイトが成長し大きくなっていること、などが理由なのだが、霞ヶ浦/北浦水系では秋にこのルアーが活躍してくれる。
あとは、春のアフタースポーン前までの季節だろうか。
 ここ数年は北浦でのバスも減少傾向にあるし、いかに早くバスのいるエリアを探し出すか、が釣果に大きく影響する。またディープクランクの釣りをしている人は今でもあまり目にしたことはない。
もしかしたら今こそディープクランクの釣りがハマる時代なのかもしれない




第3回 レイクチャンプ・グラブ(バレーヒル) 



 
 もう廃盤になってしまったルアーだが、私のクリアレイク攻略にはなくてはならないベイトである。
 グラブといえば4インチゲーリーグラブが定番中の定番であり、私ももちろん良く使うベイトであるが、こちらのグラブはサイズが4インチゲーリーグラブよりもやや小さく
テールの動きがより繊細である。ゲーリーグラブのイメージがベイトフィッシュ(小魚)だとしたら、レイクチャンプグラブはエビだろうか?
 また、ゲーリーグラブは塩が入っているが、レイクチャンプグラブは
アミノ酸入りである。アミノ酸がどれほど効くのかは正直「?」だが、たんぱく質の構成物質だし、あの「味の素」と一緒だから、何かしらバスの嗅覚には作用があるのだろう。
 このグラブ、出会った頃(92年)は、当時のホームレイクである新利根川で良く使った。テキサスリグで葦や杭といった障害物にタイトに落とし込むのが効果的だった。しかし、このルアーを私の秘密兵器として決定づけたのは、
野尻湖での活躍であった。
 95年頃の野尻湖は解禁直後で、まったくスレていないスモールマウスバス、ラージマウスバスがウヨウヨいた。そのように、どんなルアーでもバイトしてくるような状況でも、他のルアーと比べて圧倒的にバスの反応を得ることができた。
 攻め方はいたって簡単。スプリットショットリグでのズル引きである。これをブレイク、レイダウン、テーブルフラット、ロッキーエリア等々、バスの居そうな場所を通すと面白いようにバスが釣れた。
 また、河口湖や山中湖といったクリアレイクのウィードエリアでも良く効いた。軽めのスプリットショットを噛ませて、ウィードエリアをズル引きするのが効果的だった。
 また、
ラバージグのトレーラーとしても良い働きをした。特に、シルエットを小さく見せたい場合や小さめのラバージグに合わせる場合にはこのベイトを活用した。
 このルアー、
欠点を挙げるとするならば、フッキングの悪さである。比較的ファットなボディーのため、ワイドゲイプのフックでもちょっとフッキングが難しい。よってフック選びとフッキングがこのルアーを使いこなす上でのポイントである。



 
第4回 ダーツホッグ2.5インチ(レイクポリス) 


 世の中に次々とヒットルアーを送り出し続けるレイクポリスのルアーの中でも自分が一番気に入っているのがこのルアーである。
レークポリスのルアーの中でも
一番地味な部類に入るルアーなのではないかと思う。
 このルアーが活躍するのはスモールマウスバスフィッシングの時。
桧原湖では、必ずタックルボックスに入れていくルアーである。
野尻湖では、試したことはないが、おそらく活躍してくれるのではないか。
ラージマウスバスについては、これまであまり試した経験がない。というよりも、なかなか手に入らないルアーなのでスモールマウスバスの時にしか
もったいなくて使えない、というのが正直なところである。
 形状は、クリーチャー系のヒットルアーの元祖であるブラッシュホグ(ズーム)に非常に似ているが、最大の特徴はそのマテリアル(材質)である。
モチモチした食感と
高い浮力。この2つがこのルアーの最大の特徴である。
 使い方は、ダウンショットリグかジグヘッドがお気に入りである。お気に入りカラーは、特にない。というよりも、スモールマウスバスは気まぐれな魚なのでその日によって当たりルアーを見つけるようにしている。
 一番の難点は
なかなか手に入らないことである。レイクポリスのホームページには、製品情報としてまだ記載されている(2012年7月時点)ので製造中止にはなっていないようだ。
店頭で見かけたら大人買いするルアーである。



 
第5回 リーチ(ロボワーム) 

 
 

 独特の艶めかしいカラーリングが特徴の釣れ釣れワームを世の中に送り出し続けるロボワーム。その中でも私のお気に入りはリーチである。
2000年頃だったか、泉和摩氏や小野俊郎氏といった当時のチーム・ダイワメンバーがトーナメントを席巻した
ヒュンヒュンメソッド
そのメソッドによって世の中に不動の地位を気づいたリーチであるが、私がリーチを使い始めたのも、その影響である。
 しかし、私の場合はドラッギングしながらロッドをヒュンヒュンあおって泳がすヒュンヒュンメソッドではなく、普通のダウンショットリグで使っていた。
特に威力を発揮したのは当時通っていた山中湖などのクリアウォーターであった。
ダウンショットリグでシェイクすると、まるで小魚が体をくねらすようなアクションをし、バスを強烈に惹きつけてくれた。
また、ダウンショットで小さいフックにチョン掛けすると、
着底後にボディーを激しく揺すりながら沈んでいく。そのアクションがまたたまらない。着底後のバイトが多いのも、そのアクションのお蔭だと思う。
 世に出てから相当の年月が経過したルアーだが、私の一軍ボックスに居続けるワームである。今後もその位置は変わらないだろう。



 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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