「教科書が教えかねない自虐」
 「従軍慰安婦」と言う言葉を私が初めて知ったのは中学頃(昭和40年代後半)だったと思う。ただ、それっきりあまり聞かなかったのだが、ここ数年補償問題等で急にむしかえされたなと言うのがこの件に関する一つの偽らざる心境だった。そして、それは丁度日本がバブルを迎えた頃だったので、一人だけ豊かになった日本へのあてつけだろうかと邪推してしまう程唐突だった。この本によると冷戦構造が崩壊して行き場の無くなったサヨクの運動家たちが・・・アイデンティティーの全てを日本の戦争責任の追求に賭けたのだ!と言う事である。成程、時期は丁度あってる。

 この本は、この本の側から言う「自虐派」批判の本である。自虐派がどれだけこれまで嘘八百・事実捏造・歪曲をした本や報道を世に出してそして世に出しつつあるかが書かれている(これは、この本の主張)。一部の新聞やTVの報道しか見て来なかった人には衝撃だろうし、これは嘘ではないかと思われるだろう。幸いにもこの本には批判の為に自虐派の本が幾つか紹介されているから、そちらも読むと良いだろう。またこれらの本を探す為に本屋の類書のコーナーに行けば、それ以外の本も目に付く。こう言った論争が起きてる分野なのだから、肝心なのは両方の言い分を読んで自分で考える事である。特にこれまで一方の主張しか知らなかった人は(当然批判派を知らなかった事になる)、もう一方の主張も知るべきである。

 小林よしのり/竹内義和/日本の戦争冤罪センター「教科書が教えかねない自虐」
 ぶんか社:本体価格1200円:ISBN4-8211-0552-7
 平成9年8月1日発行

平成9年長月15日



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