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01年1月 


 

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1月31日

1月の最終日になってからやっとマック日記の更新。といっても、新しい情報があったわけではない。新しいG4やPowerBookG4は、失笑するだけ。高速プロセッサは相変わらず発売が先で、ちゃんと供給されるのか先行き不透明だし、チタン使ってるからって、あのデザインは全然評価ではないPowerBookG4(ところでチタンは確か、かなり傷つきやすい素材なのだが、そのあたりの問題はちゃんとクリアしているのだろうか。持ち運んでいるうちに傷だらけ、なんてことになりはしないか、ちと不安)。iTunesは結局SoundJamMPなわけだから、たとえ私がそれをダウンロードしたとしても、エンコードの速度はほとんど変わりないだろう。新型のG4ではどうなのだろう。

そもそも私がPCを買ったのは、iBookでのMP3エンコードやダウンロード速度に不満を抱いていたところ、雑誌「朝日パソコン」でのウインドウズ対マックの記事が掲載されているのを知り、読んでみると、よくアップルが引き合いにだすPhotoshopはともかく、MP3のエンコード速度では、圧倒的にウインドウズの方が高速に処理できる、という記述に愕然としたからだ。だから、今でもその性能がG4でどれだけ改善されているのか、ちょっと気になる。

ちなみに「朝日パソコン」の記事には、マックの専門誌である「MacFan」が噛み付いていた。いわく、どのプラットホームでも、使用用途に応じて一長一短があり、どちらがすぐれているなどと一概には決め付けられない、と。
そりゃ一般論としては正論だろうが、それはマックのもつ得意分野は極めて特殊で専門的であり、そもそも対等に比較するのが間違っているのだという大前提をはなから無視した意見だ。この雑誌では、ソフトの性能比較対決で、Photoshopとファイルメーカーを比較の物差しにしていた。ファイルメーカーは、もともとクラリスが作っていたソフトで、クラリスといえば、マックとはとても近しい存在のソフトメーカーだ。Photoshopにしても、もともとマックでその性能を発揮するソフトだったし、こういうマック優先の土俵での勝負を公平な判定だと考える方がおかしい。だいたい、「朝日パソコン」ではPhotoshopと一緒にMP3のエンコードスピード比較をやっていたのに、それにかみついた「MacFan」では、なぜ無視しているのだろう。あるいは、MSのOffice2000と、マック用にコードを書き直した、というOffice2001の比較はなぜなかったのか? 考えれば考えるほど、この記事には作為的なものを感じた。

さらに、何度も繰り返しているが、アップルが何か問題を起こしたときも、専門誌はいつも情報を後手後手に提示している。CUBEの問題も、毎日新聞に掲載されて、アップルジャパンもアナウンスするようになって、初めて記事が載ったりする。こういうひとたちが作る雑誌が、公平にアップルのことを伝えている、と考えるのは論理的に無理である。
こういう世界にうんざりしてきたから、ウインドウズのパソコンを使うようになったのだったが、今考えてみると、アップルが古くからのユーザには「変節」とも思われかねない、冷酷な対応をユーザに対してとっているのは、当然なのかもしれない。
実際、私は確かにアップルの苦境を見てきた。Sunに買収されるかもしれない、という時期もあったし、ものすごい赤字の時期もあった。社長を交代させるなどして、苦境を乗り切ろうとして失敗してきた時期も、確かに目撃してきた。そういう中で、なんとかアップルをもりたてようと、自分としてはいろいろとやってきたつもりだったのだが、結局何の役にも立てなかった。むしろ、そういう時であっても、アップルからするとあるいはわがままとも取られかねない要求をしてきたのかもしれない(もっと値段を安くしろ、とかね)。アップルが経済的な危機を脱出したのは、ジョブズが暫定CEOになり、iMacを発売してからのことだ。iMacの売れ行きが、苦境のアップルを救った。つまり、古くからのユーザは、何もしていない、ということだ。
そういう時期を体験して、アップルなりジョブズはこう判断したのかもしれない。

これからは、新規顧客を常に開拓できるような製品を作り続けないといけない、と。

顧客の回転率をよくする、ということは、数年前に買ったアップル製品を大事に使い続けているようなユーザは相手にしない、ということだ。そのあらわれが、見た目重視の(私からすると偏重ともいえる)新製品の数々であり、ハードのアップグレードサービス停止や、古いソフトの開発中止、OSのアップデータ有償化とかいった動きではないかと思う。
とにかく今のアップルは、コストをかなり重視している。その分、サービスは確かに低下している。本体の価格が安いのだから、それでいいのではないか、という考え方もあるだろう。企業なんだから儲けを追及するのは当たり前だ。ましてや薄利多売の方針をとるのであれば、それは必然ともいえる。
ただ、そういうアップルが、気に入らない、というユーザが、古くからのアップルないしマックのファンから出てくるのも、当然仕方のないことだろう。私もその一人に入るのだろう。残念ながら。

私は今、かつての苦境期に、何もできなかった無力感と、変質してしまったアップルにたいする怒り、さらにそうした変化を一方的に責められない、という思いを同時に感じている。それは複雑な感情だ。あまりかまってやれなかった恋人の心変わりに愕然としているようなものかな。いや、でもアップルは、「恋人のように親身になって」(笑)私をケアしてくれたわけではなかったな。とすると、うーん、どういうシーンにたとえればいいんだろうか、この気分を。

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1月8日

TechExchangeは、最近ものすごいことになっている。CUBE問題で依然正式なアナウンスひとつ出さないアップルジャパンの姿勢に、業を煮やしたユーザが批判を書き込むと、「ページの趣旨と違う」との理由でアップルが削除する。このいたちごっこはこのところ断続的に繰り返されていたのだが、年末からこの一月にかけて、それに便乗していたずらの書き込みをするやつらが現れてきた。それにしても「原田社長引責辞任」なんて書き込みがあった時には、本当かもと思ってニュースサイトを探してしまったよ。 こういうのを放置しておくと、本当に困っているマックユーザには迷惑以外の何者でもないだろうが、こうなった本当の原因をとにかく正すべきじゃないのかね。掲示板の管理者は大変だろうと思うが、同情はできない。いや、彼個人としては、大変な作業を背負わされて気の毒だと思うし、同情もするけれど、アップルジャパンの社員のひとり、なわけだから。1/2の日記でも書いたように、これが初めてではないのだから。ずっと前から、こういう体質の会社で、全然改善されていないのだから。ユーザを無視した姿勢は、今後も大手マスコミが騒がないと直らないのかな。毎日だけじゃなく、朝日読売日経産経各紙に期待するしかないのかなあ。

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1月3日・直結USB

今日秋葉原でマックとウインドウズPCを接続するソフトを買った。この「直結USB」は同梱のUSBケーブルを使ってじかに二台のパソコンを接続するものだが、なかなか快適に使える。これでだいたいのファイルはウインドウズに移行できる。MTにはUSBポートがないのでこの中にあるファイルはちょっと考える必要があるが、とりあえず大きいファイルはiBookにたくさんあったので、当座の役には十分間に合う。
あとはPhotoshop自体をなんとかしないと。Windows版のために十万円も出すのはなかなか苦しいが、かといって他社のソフトには、ない機能もあるし、慣れていないし。今のところはLEを使っているが、これでは不十分なのは分かりきっているし、ちょっと悩むところだ。

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1月2日・覚え書き

新年を迎え、マックやアップルにかかわることで、今まで不愉快だったり不満に思ったことを、せっかくつけていたマック日記を引っ張り出して読み返し、調べてみたのが以下の覚え書きだ。脈絡もないし、順不同。日付は、分かるものだけ明記。

PowerMac7500でのOpenTransport問題
最初のPCIパワーマックは、OpenTransportの不備により、インターネット接続ができなかった。

1710AVモニタの問題
Performaなどにも付属していた純正のトリニトロンモニタは、突然画面が真っ暗になるなどして使用できなくなることがある。この問題についてはアップルも認めており、保証期間と関係なく修理をする、とのことだが、全ユーザに告知されているわけでは当然なく、私の妻のモニタも、一回の修理が保証内で直ったが、二度目の修理は保証期間を過ぎており、事情を知らなかったものだからショップに相談したところ、有償と聞かされ、その修理代の高さから、買い替えを余儀なくされた。

HyperCardのバンドル中止
今のマックユーザはほとんど知らないかもしれないね。自分でソフトを作ることもできるようなオーサリングツールが標準でバンドルされていた、なんてことは。もともとHyperCardは市販のソフトで、その機能をスタック(ソフト)の再生だけに絞ったLite版がバンドルされていた。だがこれがちょっとした仕掛けでフル機能に変えることができる、というので、多くのマックユーザがこれを使ったソフトを公開していた。ユーザグループもあって、MacEXPOにも出展していたが、今は何をしているのだろうか。

OpenDoc中止(97年3月)。
コンポーネントの集まりで、いろいろな機能をつなぎ合わせていく、という、画期的なソフトであったOpenDocの廃止。これも金がなかったから。でも、今もうかっているのなら、復活してほしいものだ。他にも、ProjectXとか、cocoaとか、面白かったのに。

互換機撤退(97年9月)。
モトローラやアキア、パワーコンピューティング、パイオニアといった会社が作っていたマック互換機をアップルの事情で中止させた件。特にパワーコンピューティングは、OSライセンスを打ち切られた件で、当時のマックエクスポか何かで抗議行動をしていたっけ。パイオニアの互換機も、すばらしいものだったのだが。

マック雑誌へのアップルプログラムの掲載中止
アップデータは、どんなに重くてもアップルのサイトからダウンロードしなさい、だと。あるいは実費でCD-ROMを買え、と。

8.5のトラブル(98年10月)。
これは毎度のことだった。8.5.1で対応。MacOS7.6の時もそうだった。

レガシーデバイスの切捨てにより、一部ドングルを使うソフトが起動できなくなった点。
これはドングルを使うソフト自体あまり好きではないから、それほど腹はたたなかったが、それでもいきなりシリアルやSCSIを廃止したのには、けっこうとまどったな。周辺機器メーカーは潤ったかもしれんが。

iMacが、販売店網整備のためなどというAJの都合だけでもって国内でも買うことができない県があったこと(98年9月)。
店頭で触れなくても、アップルストアがあるので、オンラインで買えばいい、ということらしい。でもローンが利かないので一括払い。後にスーパーローンとかやっていたが、その直後に新型が出たり。でも、あれだけ高価なものを、触らずに買え、というのはすごい態度だ。

別の色のiMacは出しません、と言いながら、結局五色のバリエーションを発表した点。
これは原田社長の発言だった。当時ボンダイブルーしかなかったiMacについて、クリスマスに赤いiMacが出るらしい、という噂がたった。それを否定するために飛び出した発言。たぶんアメリカの事情は全然ご存じなかったのだろう。それから数ヶ月して、五色のiMacが発表された。

プロセッサスピードの違う新型iMacを、在庫整理のためなのか、発表もせずに突然市場投入したこと
いつのまにか、iMacのプロセッサスピードが上がっていた。なんの告知もなかったし、価格も同じ。店頭ではけっこう混乱した。

iMacの筐体素材
これはG3もG4もCUBEも同じ。ポリカーボネイトという素材は、環境ホルモン(と疑われている物質)を出してしまう。この素材を選んだ件については、知る限り公式なコメントはない。

iMacのUSBトラブル
USBポートから、ハプを介して複数の周辺機器を接続すると、動作が不安定になる、という問題。結局原因ははっきりしていない。

iMacのGLOD問題(2000年3月)。
iMacが突然使えなくなってしまう問題。これも確か、原因がはっきりしていない。症状が起きた時だけ対応する、という姿勢。今のCUBE問題に通じる態度だ。

iMacの五色セット卸(99年3月)。
せっかく好きな色を選べるようにしたというのに、店頭には人気薄の色しかない、という状況が続いた。客のリクエストで人気色をオーダーしても、五色セットでしか卸してくれないAppleJapan。かくして、店頭には紫とか、緑とか、売れない色のiMacばかり残ってしまった。

iBookの発送遅れ
言うまでもないことで、私が一番不愉快だったこと。いつ入るのかも分からない状態が数ヶ月。よくみんな我慢したなあ。当時はけっこう怒りの発言で満ち満ちたウェブページなんかもあったのだが。

iBookの「クラック」
CUBEと同じ問題は、実はiBookにもあった。キーボード右上部分に、くっきり刻まれたひび割れの線。いや、ひびではないらしい。それに、CUBEほど大きなものでもなかった。だが、そういうクレームがあったのに、同じことをCUBEで繰り返すのは、いったいなぜなんだろう。客の意見を全然参考にしていないのかな。

iBookを買えない地域問題
これもiMacと同じ。繰り返しという言葉が、これほど当てはまる会社は他にないのでは。

PowerMacG4のプロセッサスピードダウンで価格そのまま事件(のちに撤回)。
約束していた速さのプロセッサが手に入らず、急遽クロックダウンした製品を出したが、価格が当初の発表と同じだったので、予約注文者を中心にクレームが出た、という事件。のちにジョブズが撤回したのだったが、これはアメリカで大騒ぎになったからだろう。それにしても、最近のプロセッサスピードの伸び悩みも、明らかにこのプロセッサを製造している同じ会社に問題があると思う。Expotentialの互換CPUに圧力をかけてつぶしたりしなければよかったのにね。いずれにしても、モトローラには、もっと強い態度で臨んでもいいんじゃないのかね、アップルは。

CUBEのクラック
おなじみ。

CUBEのトラブルと対応。劣悪なサポートと、事実を認めない姿勢
毎日新聞のウェブサイトでおなじみ。

CUBEリベートの日本のみ未実施
世界的に売れ行きの悪いCUBEは、アメリカでもヨーロッパでも、アジアでもリベートプログラムが開始されていて、キャッシュバックがあるのだが、われらがアップルジャパンだけは、そういう人気取りがお嫌いのようだ。

OSXのベータ版「販売」(「配布」ではない)。
「価格はCD-ROMやマニュアル作成の実費程度のものです」というのなら、なぜ雑誌付録にして配布しないのか。本気でフィードバックがほしいのなら、なぜライセンスが一台になっているのか(つまりライセンス上は、複数のマックを持っているひとでも、一台にしかインストールできない)。

PowerBookの対面修理廃止
出先でiBookが壊れても、今までのようにQuickGarageに駆け込んで修理してもらうわけにはいかなくなった。よほど自社の修理に自信があるのだろう。

PowerBook廉価版の得意先限定発売直後の値引き発表
こういう無神経さが少しずつユーザの信頼をなくしていくんだと思う。

MRJの遅れ。セキュリティ問題がありながら、それを告知しない姿勢
マックでは、今安全にJavaを使う方法がない。さらにそれをアップルはユーザに告知していない。ウィルスなどでは比較的安全だとされているマックだが、今後はそうではなくなるかもね。

AppleWorksのワープロで32k以上の文書が作れないという致命的なバグがあり、それを当初「仕様だ」とコメントしたサポート(2000年5月)。

書いていて、こんなにあったのか、と少々うんざり。マック日記をつけていてよかったなあ、と思う。たぶん何もなかったら思い出せなかっただろう。こんなにいっぱいの不満は。(もし間違いがあったら訂正するので、気づいた方は教えてください)

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