K100補修履歴・モトロニック診断ツール編 '09/6/23更新
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 モトロニック診断ツールを製作しました。

2006.9.23〜
 K100RS4Vの頭脳「モトロニック」は、モトロニック診断ツールその動きがよくわからないところが多かったのだが、自分で診断できるツールが簡単に作成できるという情報を入手した。回路図そのツールを車体にある診断コネクタに差し込むと、「モトロニックのエラーコードの読み出し」「ABSのエラーコードの読み出し」「ABSのエラーコードのリセット」「電動ファンのテスト」「スロットルポジションポテンショの零点調整」ができるという。回路も使用方法もわかっているため早速作ってみることにした。
 使用方法は、K1100系のオーナーズグループ「K11OG」のサイトに書いてあった。内容はこちら。ここを読みながら回路図を良くみると何か変である。回路図では、ピン2(ABS)はアースに落とせるだけで、改良した回路図このままだとABSのエラーコードが読み出せない。エラーコードを読むには、+12V → LED,限流抵抗 → ピン2 の回路が必要、そして、ABSのエラーをリセットするにはピン2をアースに落とす必要がある。このときはLEDからの線をピン1ではなくピン2に接続替えしなくてはならない。パーツ一式
 回路図を書き直してみると、右のようになった。一見複雑にもみえるが、2回路のロータリースイッチを使えば簡単に実現できそうである。
 パーツ一式を揃えてみた。車体側電源への接続にヘラーソケットを使うとそれだけで製作コストが上がってしまう。バッテリーへのアクセスが簡単な4V、K1100でもABSTならワニ口でも十分である。
 
2006.9.28
 製作開始である。接続用ピン
 まずは、車体側の診断コネクタにこのツールを接続するためのコネクタから。コネクタは丸ピンで直径が約1.5mmのものが必要なのだが、入手できたものは2.0mm。しょうがないのでヤスリで削って細くし、電線の先にハンダ付け。内部の配線熱収縮チューブを被せて完成。こう書くと簡単だが、ピンを削るのとあわせて2時間もかかってしまった。市販のピンでちょうどいい太さのものを探すほうがいいだろう。完成
 ケースに穴をあけて部品を取り付け、裏側の配線をさっと済ませて完成。ロータリースイッチのポジションはテプラで作成したものを貼り付けておいた。
 テスターを使って回路図通りになっているかをチェックした後、診断コネクタ実際に車体に接続してテストをしてみる。
 ところで、診断コネクタの場所は車種によって少し違う。このK100RS4VはABSユニットの左後ろくらいにあった。このあたりには他にコネクタがないので簡単に見つけられるはずだ。3本ピンのコネクタで小さな文字でピン番号が書いてある。電線の色は1番が「茶−黒」、2番が「茶−白」、3番が「茶−緑」である。なお、元々は青色の防塵キャップがついていたはずなのだが見当たらず、砂ぼこりがこびりついていたので軽く洗浄しておいた。
 先に紹介したK11OGの説明(英文)に従って一通りの機能を確認してみた。これはなかなか便利である。少しわかりにくいところを補足すると・・・
●スイッチポジション1: 押しボタンを5秒ちょっと押すとモトロニックの診断モード。ただし、エンジンをかけていないとホールトランスミッターのエラー「1122」「1133」を表示する。一度イグニッションを切り、エンジンをかけた後で再度5秒以上ボタンを押すと「4444」を表示するのが正常なよう。10秒以上押すとFANテストがスタート。FANが間欠動作し、停止はイグニションOFF。
●スイッチポジション2: ポジション2はABSアラーム表示なので、普通は何も表示ない。ABSスイッチとともにボタン操作でアラームのリセット。
●スイッチポジション3: スロットルポジションポテンショのテスト。スイッチポジションを3に、グラウンド落としスイッチをオン、この状態でイグニションをONにするとLEDが点灯。そこでスロットルを少し開けると消灯するのが正常。
 なお、モトロニックのバージョンにより動作が違う部分もあるので注意。
 
2009.4.2
小型ケース このSST、製作してから結構いろいろな場所で活躍してきたが、誰かに頼まれて診断することのほうが多い。それならば常にKに積んでおくのがよさそうである。
スイッチ簡素化  最初に作ったときは、手に持ちやすいように縦長のケースを使ったが、小型化することを重視してケースを選択するとかなり小さなものが使える。今回はタカチの「TW4−2−8」を選んだ。内部配線さらに、スイッチも簡素化し、押しボタンスイッチをなくした。これでかなり小さくできる。
 前作と同様に、裏側の配線をさっと済ませて完成である。完成
 今回も、一番大変だったのはピンを削るところだった。何かいいピンはないものか。

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