子どもの肥満予防の指導のために

保健婦、養護教諭、管理栄養士さんへのメッセージ

高田晴子・岐阜女子大学/岐阜大学医学部衛生学

太った子どもの親は太め

日本人は運動嫌い

太った子どもの親には運動嫌いが多い

太った子どもの親の運動知識は低い

太った子どもの親の喫煙率は高い

喫煙する親の健康知識は低い

子どもの肥満と「母親が働いている」
こととは関係ない

”無気力父さん”・
”子どもに無関心父さん”は
子どもに悪い影響

体脂肪率23%以上は要注意!

和食なら健康にいいとは限らない!

大食いをつつしもう

集団脂質管理には
LDLCとHDLCの測定も

「家でゴロゴロ」は肥満の温床

保健教育の充実を

禁煙教育を保健教育の窓口に

生活環境と子どもの肥満

肥満と学業不振

養護教諭の認識 その1

養護教諭の認識 その2

データ及び参考文献

はじめに
 政府報告によれば、体重を基準とした場合の日本の肥満児の割合は現在8.8%です。これを20年前の5.5%と比べると実に6割の増加にあたります。子どもの肥満はその肥満を生み出した生活習慣が変わらなければ、そのまま大人の肥満に移行していくことは防げません。そうした点からも、家族全体での取り組みが大事になってきます。
 今回、過去6年間、私が繰り返し行った9-10才児の調査の結果、特に岐阜県の中都市の9-10才児1405人とその両親(父親797人、母親987人)及び、アメリカノースカロライナ州の9-10歳児1215人とその両親(父親941人、母親1124人)を対象にした日米比較調査の結果をもとに、子どもの肥満と親の生活習慣との関わりの現状についてまとめてみました。

[太った子どもの親は太め]

 両親の肥満は、その子供への肥満の出現に関係があるのでしょうか。日米9-10才児調査では、白人、黒人、日本人の三人種のいづれにおいても、肥満児の父母は標準児の父母よりも肥満傾向でした。つまり、人種を問わず、子どもの肥満は父母の肥満と関連があるのです。

 どんな事柄にせよ、親と子どもの傾向が同じのときには、判断にやや迷うところです。遺伝的要素が大きいのか、家族としての生活習慣の影響なのか断定しにくいからです。しかし、肥満の大部分が、生活習慣を原因とする単純性肥満であることから考えれば、親の生活習慣の重要性を考えてよいのではないでしょうか。

[日本人は運動嫌い]

 前述の日米調査において、日本の9-10才児の父親のうち、日常全く運動しないと答えたものはは32%、母親では45%でした。1ヶ月に1回以下と答えたものを含めると日本では父親の57%、母親の63%が運動習慣を持っていませんでした。
 一方、米国の9-10才児の父親で全く運動しないと答えたものは13%、母親では16%で、1ヶ月に1回以下と答えたものを含めても父親では31%、母親では39%でした。全体に、日本成人の運動量の少なさが目立ちます。

[太った子どもの親には運動嫌いが多い]

 このように、親の日常運動量には両国で全体に大きな差がありますが、両国に共通して観察されたことは、肥満児の両親の運動量は少ないということでした。例えば、日本人では、非肥満児と比べて、男女肥満児の父親の運動量が少ないという特徴がみられました。黒人では男子においてのみ、肥満児の父親の運動量が少なく、白人では逆に、男女非肥満児の母親の運動量が少ないという特徴がみられました。いずれにしても、両国ともに、運動への関心の低い両親のライフスタイルが肥満の出現に関連していると思われます。

[太った子どもの親の運動知識は低い]

 肥満児の両親の運動への関心の低さは、健康知識調査でも明らかになりました。日本人および黒人の肥満男児の父親と、白人の肥満女児の母親では、運動に関する知識量が少ないことが示されたのです。

 こうして、両親の肥満や運動への関心の低いライフスタイルが、肥満の子を出現させる背景になっていることは明らかになりましたが、他の生活習慣についてはどうなのでしょうか。

[太った子どもの親の喫煙率は高い]

  9-10才時の両親の喫煙について調べてみました。9-10才児の両親の年齢は35-40才ぐらいと思われますが、喫煙率はどのぐらいなのでしょうか。日本の父親の場合60パーセントが、そして、母親では9パーセントが喫煙者でした。一方、アメリカでは、父親の39パーセント、母親の33パーセントが喫煙者でした。全体でみると30パーセント強といったところで、日米に差はないのですが、後で喫煙をやめた父親の割合はアメリカのほうが多く、アメリカ人の父親は努力していると感じさせられます。アメリカは社会全体が本気で禁煙に取り組んでいますし、日本では女性の喫煙が増えているので、これからさらに差が広がることも考えられます。

 では、肥満児の親たちに限って言えば、その喫煙率に非肥満児の親との差はあるのでしょうか。興味あることに、日米ともに肥満児の父母は、非肥満児の父母よりも高い喫煙率を示していたのです。

[喫煙する親の健康知識は低い]

 子どもの肥満と両親の喫煙との関係が何を物語るのか、軽々に断定はできません。しかし、居住地域を検討してみると、喫煙者は商業地域や田舎に多いことから、規則正しい生活のしにくい、忙しい親の生活態度や、健康に関する関心の低さといったものが影響しているのではないかという推論が成り立ちます。実際、子どもたちの両親に対し、運動、栄養、喫煙、その他の四分野に分けて、健康に関する問題のテストをしたところ、喫煙習慣のある父親と母親の正解率が、運動、栄養、喫煙の分野で悪かったことからもこの推論は裏づけられます。
 これらの結果を、両親の生活習慣と子どもの肥満が関連するという新しい状況証拠の一つとしてとらえたいと思います。
 
[子どもの肥満と「母親が働いている」こととは関係ない]

 子どもの健康に関して、親の役割の大切さは当然のことです。子どもは、一人で太り過ぎるわけでも、やせ過ぎるわけでもありません。最近の肥満児増加の原因として、仕事を持つ母親が増えていることに言及する人も少なくありません。母親と一緒に過ごす時間が少なくなって、子どもの食習慣が乱れ、それが肥満児の増加につながっているというわけです。また、塾通いなどによる生活習慣の乱れを指摘する声も多くあります。
個別にはそのようなこともあるでしょうが、これら家族状況のうちでも何が健康リスクとしてあげられるのかを明らかにするために、私たちは一つの地域をモデルとして採用し、小学生800人の家族構成や父母の帰宅時間、母親の職業の有無、父母との会話時間、父母をどう思っているかなどについて調べてみました。


 そして、肥満児と家族状況のうちのいくつかとの関係を検討したところ、結局、母親の仕事の有無、祖父母との同居や兄弟数などの家族構成、父母の帰宅時間のどれとも、子どもの肥満とは関係していませんでした。母親が仕事をしているとかしていないとか、そうしたことが単純に子どもの肥満に関係しているのではなく、肥満の出現には家族全体の生活態度が問題になると思われます。

[”無気力父さん”・”子どもに無関心父さん”は子どもに悪い影響]

 この調査では、学業不振とも関連する子どもの無気力傾向についても、同時に貴重なデータが得られました。ここで併せて報告したいと思います。子どもたちが抱く不安感、たとえば「学校に行きたくない」とか、「なんとなく不安な感じがする」とか、「何もやる気が起こらない」とか、「いらいらする」といった漠然とした不安感の形成には、意外なことに、母親よりも、父親との関係が大きく影響していることが分かったのです。


 つまり、子どもから見たとき、父親が「仕事に生きがいをもって、生き生き生活している」とは思えなかったり、「自分のことを気にかけていない」と感じていたり、「自分を理解してくれていない」と思っていると、先に述べた、いわゆる不安な感情をいだきやすく、うつ状態の水準を判断するうつ指数が高いことが分かりました。これは、男女に関係なく、同じ傾向が見られました。


 母親よりも、父親の方の生活態度や父親の子どもへの接し方が、子どものやる気に大いに影響しているというのは、少々新鮮な発見です。肥満児では、その父親の運動量が少ないという先の結果にも共通する「父親の役割」の重要さを示していると思います。
 父親が家にいることが少なかったり、父親がどんな仕事をしているのか想像しにくかったり、疲れているように見えたり、仕事にやりがいを持っているように見えなかったり、会話が少なかったりすると、子どもの元気がなくなり、生活に対する満足感が薄くなることがあるということでしょうか。

[体脂肪率23%以上は要注意!]


   子どもが動脈硬化予備軍にならないために、日本でも食事内容を見直す時期に来ています。なぜなら日本の子どもは、肥満が増えているばかりではなく、血中のコレステロールレベルも年々上昇しているからです。肥満が必ずしもコレステロール高値と平行しているというわけではありません。肥満のコレステロール値への影響の度合いには、人種による差や性差もみられます。

 しかし、私どもの他の研究では、日本の9-10才児では男女共に、体脂肪率で23%以上、BMIで20以上で、脂質異常が発現するリスクが高まるということを示しました。この数字は実際に健康指導のめやすになると思います。一方で、日本人が脂質からとるカロリーの総カロリーに対する割合は、一九九七年には三十パーセントを超えました。アメリカでは現在、三十四パーセントと言われていますが、脂質の摂取量は、総じて体格の大きなアメリカ人並になってきていると言えます。


 私どもが実施した日米仏三国比較研究の結果をみますと、ほっそりしたフランスの子どものコレステロール値が一番高く、次いで肥満傾向が多いアメリカ黒人、その次が日本人で、アメリカ白人よりも高値でした。


 日本の子どもも、過食と肥満をいましめると同時に、食事の内容、とくに脂質摂取の増加にストップをかけなければ、高コレステロールと肥満の多いアメリカの子どもたちのようになるか、肥満児は少ないけれどコレステロールレベルの高いフランスの子どものようになるかのどちらか、ということになります。

[和食なら健康にいいとは限らない!]

 では具体的にどのような食事であればよいのでしょうか。和食か洋食かで肥満の出現率や血清脂質の値が異なってくるのでしょうか。
 私どもの調査の結論からいえば、どちらともいえないのです。つまり、和食、洋食の違いで肥満出現率が異なるということはありませんでした。その上、血清脂質レベルについても、和食か洋食かで、個別の脂質レベルで相違はあっても、健康リスクを低下させる根拠にはなりませんでした。つまり、魚、煮物などの和食傾向の強い食生活の子どもでは、血清の中性脂肪値が高くて、HDLコレステロールが低いけれども、同時にLDLコレステロールも低いという特徴がみられたのです。その結果、和食傾向の子どもの総コレステロールレベルは低いということになります。この場合、総コレステロールレベルは低くても、HDLコレステロールが低くて、中性脂肪も高いということですから、和食傾向の子どもたちの健康リスクが低いとも言えません。逆に洋食傾向の子は、血清の中性脂肪値は低く、HDLコレステロールが高いけれども、LDLコレステロールも高いので、結果的に総コレステロールは高いレベルでした。同様の理由で、洋食傾向の子についても、健康リスクが低いとも言えません。

[大食いをつつしもう]

 では、どのような点に注意したらよいのでしょうか。私どもの別の調査では、天ぷら、うなぎ、フライといった高脂肪・高カロリーの食品が好きな子どもに肥満が多かったのは事実ですが、統計的にリスクといえるほどではありませんでした。むしろ、朝食にごはん二杯以上食べるということが、肥満の危険因子でした。ごはんを食べ過ぎて肥満したという場合もあるでしょうが、ごはんをたくさん食べる場合には、他の食べ物の量も多く、全体として食事量が多いということが大きく関連していると思われます。つまり、日本の子どもの場合、ごはんの量の多さが、食べ過ぎの指標となるのです。

 こういった事実から、一つの結論を導きだすとすれば、肥満を防ぐ食べ方とは、食べ過ぎないことであり、血清脂質異常を引き起こさないためには、食事の和洋の傾向と血清脂質の関係をだいたい頭に入れて、洋食、和食にこだわらずに、バランスよく食べるという、当然といえば当然の結論となります。親は食事の全体量について特に気を配るべきで、細かな個々の食品にこだわりすぎる必要はないともいえます。

[集団脂質管理にはLDLCとHDLCの測定も]

 アメリカの場合、コレステロールの大キャンペーンをして食事について低脂肪教育したところ、20年後のベトナム戦争で亡くなった若い兵士の冠動脈では、動脈硬化性病変は、実に45%に減少していたそうです。戦争によって、大キャンペーンの成果がはからずも確認されたわけです。しかし、日本人の場合、こうしてみると、短絡的な和食嗜好だけで解決できる単純な問題でもなさそうです。きめ細かな個人の食事内容にあわせた指導が必要な時期になっています。また、血清脂質の管理では、脂質のバランス(HDL-コレステロールとの比)に注意が必要であり、学校における集団の脂質管理にも総コレステロール値ばかりではなく、LDL-コレステロールやHDL-コレステロール測定も必要でしょう。 
 
[「家でゴロゴロ」は肥満の温床]

 日本の子どもたちの日常の問題点のひとつは、身体活動性が低いことです。日米の子どもたちが、一週間をどんなことに費やしているか見てみると、日本では男女ともに一位テレビ、二位宿題、三位読書、男児では四位にやっと野球が入る現状です。アメリカでは男児の一位はテレビゲーム、女児の一位は宿題と日本と同じような傾向ですが、二位には男児でフットボール、女児では自転車乗りが入りました。四位以下についても、アメリカの子どものほうが活動性が高く、庭の手入れ、掃除など家の手伝いなどに時間をさいています。日本もアメリカもテレビと宿題に相当の時間を取られていますが、二国を比べると日常生活においても、日本の子どもの活動性が低いのがよく分かります。
 また、肥満の子どもの日常の活動性が特に低いという証拠は得られませんでしたが、先に述べたように、両親の運動への関心と知識が低いという特徴がみられています。肥満予防には家族で身体活動性を高めるような雰囲気づくりが必要でしょう。

[保健教育の充実を]

 学校保健の現場では、健康に関する知識を深めることが指導の第一歩ですが、日本の子どもの場合、運動、栄養、喫煙、一般のすべての分野においてアメリカ白人の子ども達よりも知識度が低いという現実があります。現在のところ子ども達への健康教育に学校や医師、保健婦の果たしている役割はまだまだ小さく、健康に関する知識を主にだれから得るかという調査でも、60%が家庭からという結果でした。今後は、高い効果が期待される学校での集団指導方法も検討されるべきでしょう。また、学校保健とは異なった地域保健の分野で、親と子どもを対象に肥満教室などを開催することも、個々の事情に応じたきめ細かな指導ができるという点で効果があがると考えられます。

[禁煙教育を保健教育の窓口に]

 ところで、アメリカでは子どもたちの喫煙常習者は1.0%でした。アメリカ政府の本腰の取り組み方からみて、地域によってはもっと多いと考えられます。日本では調査が困難なので、データはまだありませんが、中高生の現状を見ると、現在はアメリカほどではなくても、遠からず同じようなことになるかもしれません。学校教育の現場で、健康指導の対象として肥満が中心にくるという現状は当分変わらないと思いますが、禁煙教育の必要性がだんだん大きくなってくるかもしれません。

[生活環境と子どもの肥満]

ところで、ある地方都市の小学校四年生の約1700人について、私が実施した調査では、肥満の出現率は、学校によって、6パーセントから25パーセントまでと、かなりの幅がありました。
 学校の所在地を調べると、にぎやかな下町と、人口が少なく農業関係の仕事の多い田舎に、肥満出現率の高い学校が集まっていて、逆に、都市でも、いわゆる山の手とよばれる地域には、肥満の出現率が低い学校が集まっていました。同じ都市の中でも地域による差が見られるわけです。

[肥満と学業不振]

 七年ほど前になりますが、高校生について、ある県での健診結果をまとめてみたところ、大学進学率の低い高校ほど肥満者が多くみられました。(ただし、肥満の少なかった進学校では、高血圧や不整脈が多くみられたのですが)
 このように、肥満に地域差や学校差があるという事実は、子どもの肥満と生活との関連について、微妙な問題を投げかけます。


 ライフスタイルそのものの中に太る要因があるという考え方はすでに定着しており、多くの調査がなされていますが、子どもの場合、とりわけ生活の中で大きなウエイトを占める学業や勉学についての考察ももっとなされるべきでしょう。


 肥満が学業不振のきっかけとなる危険性はこれまでよく指摘されてきました。しかし、逆に、学業不振が肥満の引き金になり得るとも言えないでしょうか。子どもの生活の中で、学校生活や勉強は大きなウエイトを占めています。勉強が分からなくなっているのに、解決の糸口が見えないとしたらどうでしょう。子どもは、自分のあるべき姿と現実の自分との矛盾から、ストレスを抱え込むか、無気力になっていくでしょう。そうした子どもたちが生活習慣を乱していくことは十分に想像できます。子どもの健康を考えるにあたって、私たちは、子どもの肥満をつくったライフスタイルと、学業不振の関係にももう少し気を配る必要があるのではないでしょうか。

[養護教諭の認識 その1]

 16校の養護教諭のうち、質問に答えた者は12名であった。各学校で、肥満の判定基準は、標準体重法とその他がそれぞれ11名中5名(45.5%)で一番多かった。男子の肥満がかなり増えていると感じている者は12名中8名(66.6%)、女子の肥満がかなり増えていると感じている者は12名中6名(50%)であった。肥満の子供には何らかの生活習慣上の共通の問題があると感じている者は、11名中11名(100%)で、肥満の原因を運動不足と思う者は、11名中6名(54.5%)であった。肥満の生徒たちは、あまり、やせようと努力していないと感じている者は11名中11名の100%であった。肥満の予防対策として、集団指導している者は1名(8.3%)のみで、5名(41.7%)は個別に指導し、6名(50%)は、何もしていなかった。集団指導の効果は、非常にまたは、かなりあるだろうと感じている者は、12名中9名(75%)であった。また、個別指導の効果が、非常にまたは、かなりあるだろうと感じている者は、12名中11名の91.7%にのぼった。しかし、これら肥満予防の指導について、興味はあるが情報がないと全員が答えた。
 
[養護教諭の認識 その2]

 各学校の肥満児童の出現率は、男子では7.5%から26.7%、女子では7.0%から25.0%とかなり相違がみられるが、全体平均では14.5%であった。すでに報告した岐阜県の山間地での調査におけるBMI20以上の出現率の14.1%とよい一致がみられる。この肥満の出現率と養護教諭の認識との関連を調べるため、独立変数に、男子肥満が増えていると思うか、女子肥満が増えていると思うか、集団指導は効果があると思うか、個別指導は効果があると思うか、の4変数を採用して重回帰分析を実施したところ、集団指導の効果の認識と関連があった。すなわち、集団指導の効果がないと感じている養護教諭のいる学校の児童の肥満出現率が高かった。

[データと参考文献]

9-10才児の血中コレステロール値(mg/dl)の比較

フランス人 アメリカ黒人 アメリカ白人 日本人
男子 180 178 162 170
女子 186 167 166 170

9-10才児の肥満の定義

BMIが20以上、または体脂肪率が23%以上である子供は、動脈硬化指数:AI=3以上の高AIの出現率が標準児の6-10倍となり、高収縮期血圧(122以上)の出現率は3-7倍となる。このBMI20、または体脂肪率23%が統計的に境界値となる。

そこで、以下の子供達を肥満と判定する

BMI
男児 >=20, 女児 >=20
体脂肪
男児 >=23%, 女児 >=23%

BMI=20は男女ともにBMI の85パーセンタイル値に相当する。また、体脂肪率:FAT%=23は、 男子ではFAT%の75パーセンタイル値に相当し、女子では80パーセンタイル値。

文献
1) Harrell, J.S., McMurray, RG., Bangdiwala, S., Frauman, A.C., Gansky, S.A. and Bradley, C.B. (1996): Effects of a school-based intervention to reduce cardiovascular disease risk factors in elementary-school children: The Cardiovascular Health in Children (CHIC) Study, J. Pediatr. 128, 797-805.
2) 厚生省保険医療局健康増進栄養課 (1997):平成9年版国民栄養の現状, 第一出版, 東京.
3) 高田晴子, 鷲野嘉映, Harrell, J.S., 長岡千春、岩田弘敏 (1996):10歳から11歳への成長に伴った血清脂質変化に関連する要因, 日本臨床生理学会雑誌, 26(2), 119-126.
4) Takada, H., Harrell, J.S., Shibing, D., Bangdiwala, S., Washino, K. and Iwata, H. (1998): Eating habits, activity, lipids and body mass index in Japanese children: The Shiratori Children Study, Int. J. Obesity 22(5), 470-476.
5) Washino, K., Takada, H. and Iwata, H. (1998): The accelerated increase in lean body mass of pre-pubescent Japanese boys at 10 to 11 years of age, Environ. Health Prev. Med. 3 (2), 102-105.
6)高田晴子、Joanne S Harrell 、鷲野嘉映、林幹夫(1999):小児肥満に及ぼす両親の生活習慣の影響:日本と米国の9-10歳児、教育医学
7)高田晴子、Joanne S Harrell 、鷲野嘉映、林幹夫、長嶋正實、岩田弘敏(1999):日米の9-10歳児の食習慣、日常活動性および健康知識の評価、教育医学

2001/11/14 11:03:53;57274;vk2h-tkd;RETR;ok;/homepage/child.html