絶体絶命日記   2010.5

 スペクトラムの月

5月1日

 

走ってない。もうすぐ1ヶ月になる。歩けない。だから走れない。

欝が入る。酒ばかりだ。酒ばかり。

体が痛い。硬くなっていて辛い。

1ヶ月は長い。欝が入る。欝が入ってくる。

 

走りたい。汗を流したい。

いい天気だが走れない。せめて今日は日に当たりたい。

太陽の日に当たるだけでいい。

それだけでも少しは回復できる。近くの公園で文庫本持って1時間ほど過ごしたい。それだけでも助かる。助かるはずだ。

 

 

 

5月がポイントだ。ここで勉強と体にしっかり集中する。一生の中でのポイント。

 

 

2012年.大峠。そこに向けて磨く。身魂磨き。

それしかない。結局それしかない。

あとは開く。心を開く。無駄に閉ざさない。ガードをはずす。ガードを下げる、降ろす。

 

 

取り越し苦労と過ぎ越し苦労。

どこまでそれを緩められるか。やめることができないのならその時間を減らす。できるだけ減らす。

うれしうれしをどこまで自分の時間の中に取り込めるか。

それが馬鹿みたいだが、最重要課題なのだ。欝をとめる手。

 

取り越し苦労と、過ぎ越し苦労、それが今ここの時間と場所を奪っている。

今いる場に感応する。

今いる場を見る。顔を上げる。今いる場に入る。今いる場に入ることが大事。

いつもそこから身を引いている。下がっている。曖昧な微笑を浮かべながら、場から逃げている。

そんなことで、何十年をすごしてきた。それはそれで疲れる。疲れきる。そんな事に全ての力を使い尽くしてしまう。

使い尽くしてきた。

 

今のこの場に感応する。

年越し苦労、過ぎ越し苦労をできるだけやめる。

そこへ意識が向いたなら、とめる。止めて今ここに感応する。

そんな癖とつける。

そんな癖をつけるのだ。

 

いまさらだがそれが必要。

情けないが。

それがトレーニングだ。大事なトレーニング。

 

 

 スペクトラムの月4日

 5月4日

 

いい娘だよな。素敵だよね。綺麗だよな。

真面目で明るく、可愛くて、そして美人。かなりの美人。

だから俺には関係ない。

 

だいたいメールでやり取りなんて初めてだ。この1ヶ月で何回か続いていえる。

もちろん内容は浮いた話ではない。真面目に勉強の話だ。こちらがアドバイスをするという内容。そりゃそうだろ、こっちは25も年上。

それ以外の関係は無い。ありえない。

 

そうありえない。

 

ありえなくてもいいだろう。変に期待してもしょうがない。

勉強の話主体に、就職や仕事の話、人生の話とかで終わってもいい。

というかそれしかない。

 

好きだとか、会いたいとか、遊びに行こうとか、そんな事にはならない。

でもならなくても、メールのやり取りが1週間に1度でもあれば、人生潤いというかそんなものがあるだろう。

そしてそれが願えるものの最高のものなのだ。

 

そういうことだ。

 

だいたい、美しすぎるし、賢明過ぎるし、才能がありすぎるし、高嶺の花。

1週間に一度のメール。

 

そんな関係を2年、3年、5年、10年と続けていく。

それで十分。

なのだろう?

 

そんな人生で十分。

こっちはこっちで早く、日本語教師の資格を取って、世界に打って出るのだ。

世界を駆け巡るのだ。

 

だろ?

 

スペクトラムの月15日

5月16日

 

人類補完計画 アンビリーカルケーブル ATフィールド ヤシマ作戦 サキエル

N2地雷 セフィロト 碇ゲンドウ 碇シンジ 綾波レイ 惣流アスカ・ラングレー

日向マコト 青葉シゲル コア セカンドインパクト 第3新東京市 ジオフロント

セントラルドグマ 赤木リツコ 赤木ナオコ 葛城ミサト 加持リョウジ すいか

シンクロ 碇ユイ ロンギヌスの槍 アンチATフィールド 逃げちゃ駄目だ あなたは死なないわ 私が守るもの メガネ 包帯 ペンペン 暴走 鈴木とうじ

群体 個体 不完全 新しい人類 行き詰まり 気持ち悪い 電線 長いエレベータ 笑えばいいんだよ 冬月コウゾウ 駅のホーム 戦略自衛隊 捕食 ばあさん リリス アダム サードインパクト ネルフ 水槽のレイたち 私は3番目 揺れる母親 ここにいたのねママ 殺してやる殺して殺してやる殺してやる殺してやる

殺してやる殺してやる殺してやる みんな死んじゃえばいいのに 自我崩壊 自分が愛されるなんて信じられなかった ぼくは必要じゃないんだ 僕を助けてよ僕を助けてよ みんな一つになるの 何も怖くないわ でもそれじゃ僕がいない 来たか遅かったじゃないか マギ 拘束具 電柱 エヴァシリーズ ビール 伊吹マヤ 精神汚染 僕はここにいていいんだ ウイルス 夕日の中の電車 明かりが消えていく列島 四つん這いのエヴァ カオルとエヴァの長い静止画 撃たれるリツコ やっと会えたなユイ リリス リリン 黒い月 ガフの部屋 甘き死よ来たれ 依代 自己破壊衝動エネルギー 胎児状アダム S2機関 生命の実 知恵の実 永遠の命 主は天にいまし 世は事もなし 魂 肉体 

 

 水晶の月1日

5月29日

 

絆創膏だらけの指 私笑えるんだ 誰かと一緒に食事するって、楽しいですか 誰かの食事作るって、嬉しいですか 碇君といるとぽかぽかする 碇君をぽかぽかしたい 私には代わりがいる 綾波は綾波だ 翼をください 抱き合う二人

!?!?!?!?!?

 

10年たってもう一度作るのなら、こうした変化しかないのだろう。絶望から希望。

前作の孤独と絶望に共感したので、今回の希望には戸惑う。

 

10年たったのだから、10年たってもう一度同じ素材で作り直すのなら、こうなるしかないのだろう。こうしたい気持ちが生まれたのだろう。

 

でも同じく絶望の極地にいるこちらとしては、戸惑う。

先に行くなよ。という感じ。

俺には無理だよ。

絶望と孤独しかないから。何の展開も無いのだから。

「気持ち悪い」と思われながら一人生きていくしかないのだから。

 

 

 

でも大したもんだ。立派なもんだ。

庵野さんは。

 

 

 

水晶の月2日

5月30日

 

何もしたくない。今も酒を飲んでいる。飲みながらテレビ。くだらないテレビ。榛名愛と諭吉。

 

えらいと思う。男が女に女が男になりテレビでそれを売りつつ自分たちの特殊を生きている。えらいと思う。思っちゃうんだよな。安い酒、一気に飲む。グラスに入れずにラッパのみ。2度3度ラッパのみ。

 

今をどれだけ膨らまし楽しむか。

明日のことを心配したり、すんだ昨日に引きずられない。

えらいと思う。

この程度のテレビタレントに感心してしまう。

感心してしまうのだ。

 

足が痛い。

足が治らない。

走れない。

天気も悪い。

一体どうなっているのだろう。ここまでなる程の何か悪いことをしたのか。ここまで悲惨で情けない状況に追い込まれるようなことをしたのか。理解できない。

 

去年、今年、春に良いことは何もない。これからも夏に向かって、悪い事が起こるのだろう。

それを僕が呼んだとでも言うのか。

去年も今年も何も悪い事はしなかったし思いもしなかった。人がたとえそう思ったとしても、良いことをしていると思っていた。

 

大切にしていた、大事にしていた。

 

それが何だあれは。地獄へ叩き込まれた。

だが、恨んではいけないのだろう。受け入れなければならないことなのだろう。

きっと僕にも責任はあるのだろう。多分あったのだろう。だからこうなったのだろう。信じられないし、いつか分かってくれるという希望は今も持っている。

あれは、嘘だったと言ってくれると。

 

そしてそんなことを思っていることへの罰が今年の春の足の負傷なのだろう。

勘違いの罰なのだろう。謝らなければならないのだろう。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。

 

あんなに大事にして、守って、今もそう思っているのに。誰も、誰一人、分かってはくれない。簡単な話に持っていき、結論付け叩き込むことしか考えず、思いつかない。人の一生を断ち切る。平気で断ち切る。何も考えずに断ち切る。

 

一生、普通に生きてはいけない。

そんなことも誰も分かってはくれない。

いまさら誰かに分かって欲しいというのもばかばかしい。40年、誰にも理解されず生きてきた。それを今更どうだというのだ。だが、こっちはもう当たり前には生きていけないのだ。

 

分からない、分からない、それだけだ。

 

飲む、飲む。飲む。

 

何も生まれない。

6月で学校も終わる。一人だ。何も新しく生まれない。

何の展開も無い。

自分から動く。動けば何かが生まれる。

 

この1年毎日勉強ばかりしてきた。

2月から学校にも通っている。

勉強しかしていない。アジアやロシアやヨーロッパの歴史文化伝統言葉地理の勉強、日本語教師になったときの為の準備、NHKの語学番組全部見ている。それも再放送分もだ。日本教育能力検定試験の勉強も毎日している。

勉強ばかりだ。

 

飲んだくれている。勉強以外では飲んでばかりだ。ウイスキーの小瓶はいつもかばんに入っていて、電車の中でも飲んでいる。

歩きながらでも飲んでいる。

今も飲んでいる。

飲みながら書いている。

 

今は、笑っていいともだ。みんな頑張っている。中井も翼も、今田も、タカもトシもタモリだって頑張っている。

 

えらいなと思う。

それぞれ下積みもあり、壁や山も越えて来ているのだ。

俺はこの程度のタレントに感心しながら酒をあおっている。

 

確実にいいことは無い。断言できる。だから悪いことばかりがおきる。

寄ってくるのだ。悪いことばかりが。そして安心するのだ。

思っていた通りの悪いことがおきたので、安心するのだ。

 

足がしびれる。まともに歩けない。もう2ヶ月だ。治らない。歩けない。

どうかなっている。何か変になっている。

動かない。

かなり悲惨な人生を歩んでいる。人にも誇れるくらい暗く地を這う人生だ。

きっとそうなんだ。

最後はきっとこの1,2年で自殺だろう。

楽できていい。

まさかこんな事になるとは思わなかった。

 

午後になったら歩きに出るのだ。

リハビリだ。

何とか治すのだ。

リハビリだ。リハビリだ。

 

雨が降りそうな曇り空の下を歩くのだ。歩きに出るのだ。リハビリだ。

リハビリだ。歩きながら、実技の復習をする。声を出して復習する。

人にへんに思われながら、復習する。

リハビリだ。リハビリだ。

 

もっともっと飲んで、そこら辺で寝転ぶ。ぐっすりと眠り込む。雨が降りそうな雲の下でぐっすりと酔って寝込む。ぐっすり眠れればそれが最高だ。

何も思わず何も感じずに、眠れればいい。

 

ずっと眠れない。眠っても3時4時におきる。そして眠れない。

部屋の中を歩く、本を手に取る、夢十夜 内田百閨@20世紀少年 エヴァンゲリオン 大本神諭 日月神示 朔太郎 太宰 古事記 ブルーハーツ アセンション スピッツ シーレ、ミショー ゴッホ 足がしびれている。

足がしびれるのだ。

 

 

起きている。眠れない。昼間が眠い。頭が痛い。起きていられない。

 

恨むまい。恨むまい。

恨んではいけない。

自分で呼んだこと。起きたことは全て自分から。良いことを思えばよいことが来てくれる。

 

起きたことは全て最高最善必要なこと。

だから喜んで引き受ける。

 

きっとそうなのだ。

分からない、分からないが、きっとそうなのだ。

きっとそうなのだ。

引き受ける、引き受ける。引き受ける。喜んで引き受ける。