絶体絶命日記 2002.6.130

 

6月2日.

 

5月で6人解雇.

仕方のない人もいる.

だがそうでもない人もいる.

学校の成績がすぐに上がらない.目に見える結果がない.

だが確実に彼らがしていたことがあるのだ.

 

目の前の出来事を面白がる心.

不思議に思う心.

なんで?どして?

と思う心.

 

教室での子供達のそうした心を彼らは許してきたはずだ.

さらにそれを伸ばそうとしていたはずだ.

 

教室に蝶が迷い込んできて,その蝶の名前がなんで,何で入ってきたのか,その蝶の色の美しさや,飛び方の優雅さを語ったはずだ.

 

そして成績は上がらず,母親は成績が目に見えて上がる塾へ変える.

 

 

減っていく.

一緒にやってきた同志が消えていく.

そんなもんだ.

 

そうそれが人生だ.

いつも一人でやってきた.これからもそうだ.

しかし,やはり,寂しいもんだ.

確かに,淋しい.

 

65.火曜日.

 

来年が見えない.

落ち込む心をTOEIC受験で支える.

実際子供達には,

「先生今度は7月に受験.富士登山マラソンの2日後.

必死に単語覚えて,問題解いてるぞ.いっしょに頑張るぞ!

おまえたちは英検,先生はTOEIC

 

と言えている.

だから一気に落ち込んでいく事は今のところ無い.

 

だがしかしそれが一体何なんだ。

それが何になる

 

とも思っている.

疲れるのだ.

相変わらず.

 

6月9日.日曜日.

 

いよいよ明日からヒヤリングマラソン1000時間.

TOEIC730点突破の為の切り札.

 

しかしヴェンゲル監督のかなりゆっくり目の英語も聞き取れないもんなぁ.

悲しいよな.

隣のヒゲの声がでかく顔の大きい押し付けがましい男、しかし英語はぺらぺらで嫉妬覚えちゃうもんなぁ.

 

せめてあの男が分かる程度の英語は分かりたいもんだがな.

 

無理か.(-_-;)

 

いや、50近くになって英語をやり直そうという男の怨念、執念を甘く見てはいけない。

 

そうだ。これもマラソン3時間以内と同じく、壮大な実験、挑戦なのだ。

 

ケッ!

 

俺を甘くみんなよ。

 

6月10日。月曜日。

 

二つ持っている教室の一つがまずい。

このままだと秋でアウトかも知れない。

 

最初から持った教室なら何とかなったのだが、引き継いだ時点で下降気味だった。

しかしどの教室にも事情というものはある。それを盛り返すことが仕事だ。

とはいえ状況はキツイ。

これから7月8月と一軒一軒回ることになるのだろう。

夏の暑い中、消耗していくのだ。

 

しかしそれが仕事だ。

それに愛着のある子もいる。

 

もっとも一番手をかけた子は成績が上がるとさっさとやめていった。

今思っても頭に来る。

親も子もそんな事するとは思わなかった。

簡単なもんだ。

点の上下でしかつながっていなかったのだ。

ふざけた親子だった。

だが今も他へ行ってここの良さに気づいて戻ってくる、と不図思ったりする。

 

だから実はそれほどの執着もこの教室には無い。

 

しかしできの悪い子が多い。

他にどうしようもない子が多い。

 

そしてここに来て成績の上がりだした子、やる気の出だした子もいる。

 

その子たちへの責任を果たす。

 

それが仕事だ。

そしてそうやってこれまでこの仕事、やめもせず、やめることができず、今日まで続けてきた。

 

きっとこのまま自滅するまでやっていくのだろう。

 

6月11日。火曜日。

 

ヒヤリングマラソン1000、決定事項。

 

 6月7月は、訳文を見、原文も見てから聞く。見ながら聞く。

 

でないとやってられん。

何でアメリカ人ってこんなに早く息せき切って話すのだ。

落ち着いてゆっくり話せないのか。

 

相手に話す間を与えないというのが、基本にあるのか。

相手に話させ、相手の話をまず聞こうという気は無いのか。

 

まぁ、戦争に負けたのだからな。

しょうがない。

 

ウダウダ言ってる暇があったら、さっさと英語聞き取れ、話せるようになることだ。

 

さらに。

 

まぁ、あれだな、いきなりこの教材だけでやるというのではなく、昔買った初級英会話、基本フレーズ100、初めての英会話とかをほじくりだして、ヒヤリングマラソンの教材の合間、合間に入れて、リラックスする時間作らないと続かないなこれわ。

 

まあ、まだ始めたばかし。

Easy does it! (T_T)

 

616.日曜日.

 

やってるぞ.

 

ただし本教材はキツイ.

いきなりインタヴューの聴き取りはできんだろう。

そこで初級のを買った.そいつを1ヶ月の半分で聞き、後半は本教材.

それでやってくしかないだろう.

たかだか外国語の習得だ.

1年もかける気は無い.半年で、ほんとに半年で、けりをつける.

道具の使い方をマスターするのに、多くのエネルギーを使う気は無い.

一気にかたをつける.

ほんとにつけてやるからな.

 

618日。

一人で痛い。

誰もいない。

 

無限に縮む。

虚ろな空気が満ちていく。

 

浮き上がる。

流れていく。

 

初めての風呂釜洗浄。

見えない菌が消えていく。

いたのかどうかは分からない。

 

623日。日曜日。

 

来た来た。TOEIC

580点.

リスニング    275点。

リーディング   305点。

 

1回目であればこんなもんだろう。

さすがにリスニングが低い。

しかし上げていける可能性があるのだから、良しとする。

しかしあせったもんな。最後の20分は書き込むだけ。

時間との勝負。

 

次は728日。

リスニング、50点アップ。

リーディング、70点アップ。

 

トータル、120点アップ。

で、700!

ちょっと辛いか。

 

630日。日曜日。

 

全く給料どうとかしてくれよ。

増員だって、やってるぜ。

月に1名増やしてるぜ。

他がしっかりしてないからだろ、ボーナスもでねぇしよ。

何人首切ったんだよ。

いくつ教室潰したんだよ。

 

ずっと前と同じように働いてるぜ。

何で給料が×××円しかないんだよ。高校生のバイトじゃないんだぜ。

 

全く。全く。まったくだぜ。