塾日記 2004.7.1‐31 白いスペクトルの魔法使いの年宇宙の月20日。 7月16日。 期末の面談。 珍しくおじいちゃんがきた。 母親が忙しかったとのこと。 小6の女の子が今通っているが,上の兄ちゃん,姉ちゃんも通った。 上の兄ちゃんは立命館に行っている。姉ちゃんも力はあるのだが,千葉行きの電車に乗りたくはないと言って,下り方面に行っている。この前たまたま街ですれ違った。制服でピンクの眼鏡をかけていた。それがいい感じで似合っている。元気よく声をかけてくれて嬉しかった。 二人とも頭が良く真面目で,真っ直ぐで,ユーモアがある。笑うことが好きで,ツボにはまると何分でも笑っていた。 先生に教えてもらって二人とも変わった。 自分の考えというものを持てるようになった。感謝している。 そう言われた。 小6の子も,以前は何にも興味も関心も示さなかったが,最近自分から色々なものに興味を持つようになった。感謝している。 また言われた。 嬉しい。 3人とも真面目なので,物の見方や、常識の枠をはずしてあげると,肩の荷が降りてすっと自分から動いていけるようになる。授業では冗談ばかり言っていた。 中一の男の子。 社会とゴジラが大好きで,社会では既に高校入試レベルの知識をもっている。 だが数学の公式,英語の文法を覚えられらない。 覚えればすむものを覚えられない。 なぜそうなるのかを考えるわけではない。 そこで記憶や考える回路が止まってしまうのだ。 情けない顔になる。 焦ってくる。 だが止まったものは動かない。 例を見せるしかない。 そこから類推ができるかどうかはその時の何かの回路にうまく繋がるかどうかだ。賭けみたいなものだ。繋がってくれと祈るしかない。 母親もその辺りのこちらの苦労はわかっているので毎回よろしく御願いしますと頭を下げられる。 小5の男の子。 四角と三角,平行や垂直,台形,平行四辺形の区別がはっきりしない。 そういう子はたまにいる。 完璧アウトだ。 視覚的に,受け付けない。 紙の上の図形を把握できないのだ。 だがこの子は最近垂直がわかった。教室の中の角っこを指さしてあれが垂直,あれも垂直いえた。 この子も別にほかで問題はない。 ちびの癖に元気が良く,中学生にも平気で話し掛け,まともに扱われないと態度が悪いと突っかかっていったり,靴をきれいに並べていないと怒ったり,散々自分が騒いでおいて,人が話しているとうるさいと言って顰蹙を買うことぐらいだ。 要するに勉強が大嫌いなのだ。 嫌いだという気持で心が膨らんでいるから,自分の毎日の生活に直接関係のないことには頭が動かない。自動的に電源が切れる。電源が切れてしまってはどうしようもない。 そういうことだと思う。 そしてこちらとしてはあきらめないことなのだと思う。それしかないと思う。 小6の子たちもそうだ。 そんなのばっかだ。 どれほどエネルギーを費やしているか。 去年は頭のクリアーな子がたくさんいて,打てば響くの授業を楽しめたが,今年はそうはいかない。ガンガン叩いてもどこ吹く風だ。 そして生徒は増えない。 何も増員作業をしていないからしょうがないが,あともって2年だろう。 虚しい気もする。 だが必要とされてもいる。 肩の荷が重い話だ。 中学入試もある。 本人に勉強の意志はない。 この子はそれを意識かできていないので,無意識のレベルで抵抗する。 宿題をやってこない。だがそこにさぼる気も悪意もない。 この前はトイレに入った何かを操作してトイレを水浸しにした。 これもきっと何ということもなく,勉強のストレスから無意識にやったのだろう。 このままで行くとやがてチック症状が出てきて,体に直接何かが起きてくる。 どうもって行くか。 受験は止める。 夏の様子を見て決めなければならない。 面談をやって悪い事はない。親からは感謝される。 教室でも子供たちは上機嫌で騒ぎ,時々勉強もする。たまに当たれば,成績も上がる。 だがあと2年だろう。 そのあとどうするのか。 打てば響く授業もしたい。 子供から離れるのもいいかもしれない。 全く50を前にしてこれだ。 一体どうなるのだろう。 疲れる。 何かないか,ぱっとする気持の晴れやかに盛り上げること。 |