塾日記       6月1日−30日

白いスペクトルの魔法使いの年水晶の月3日.

6月23日.

先週の土曜日卒業生が来た.

館山の海上技術学校に行った子だ.

 

海が好き,というわけでもなさそうなのだが,一本気の,要領の悪い,真面目で,気の優しい子だ.

一時期志望校を,普通校でラグビーをと変わったが,結局は初志貫徹だった.親類に船乗りのおじさんが二人いるとのことだったが,目標を決めて突っ走っていくのが性に合っている子だった.

宿題はやってくる.

言った以上にやってくる.わからなくても勢いでやってくる.わからないまま自分で公式を作って無理やり答を作ってしまう.

それを止めて,一つ一つを確かめ,ひん曲がった方向を修正するのが,教室での指導だった.

猪突猛進という言葉がぴったりの子だった.

普通校でだら〜と過ごすより,専門学校の方がいいと思った.

 

5時半起床,ランニング,筋トレ,カッターを1時間,7時半朝食,しかし1年生はご飯と味噌汁しか残ってないらしい.学校では3年,2年,教官,1年の順で偉いという.だが夜は食えるし飯もうまいので,まぁ問題はないらしい.

一部屋4年,先輩2人も良い人だという.

ほかの部屋では時々酒によって後輩を真夜中起こしぼこぼこにする先輩もいて,そうなると地獄らしいが,しかしまぁ,男だけの寮ならそんなこともあるだろうと言った.

 

3年で4級の免許が取れる.

船長さんだ.

きっと彼ならやれるだろう.

 

妹がいて,夏期講習にきたことがあったが,塾に入るように妹に行ってくれといっといた.

入ってくれないと,なかなかに辛い今日この頃なのだ.

 

白いスペクトルの魔法使いの年水晶の月11日.

6月10日.

 

家への帰り,「先生,先生」と呼び止められた.

見ると,お母さんからだ.

横には去年の夏やめた子がいた.

小学2年から中3の夏まで見た子だ.

友だちと一緒に受験をするといってやめてしまった.

小2から中3の夏まで教えた子だ.

小さい時は膝に乗せて授業をした.

高い高いもした.

それがこれからだという中3の夏に退会した.

きつかった.

 

高校に合格した時には電話をかけてきた.

 

今日,母親から声をかけてくれた.

その子も恥ずかしそうに,高校の様子を話してくれた.

可愛い.

とても可愛い.

 

ずっと見てきたのだ.

 

中学の時はテニスをやってきたが,今は書道をやっているという.

 

ずっと見てきたのだ.

 

白いスペクトルの魔法使いの年宇宙の月4日

6月29日。

 

怒らない怒らない。

わからないからといって怒らない。

3分前のことを忘れたからといって怒らない。

うんざりした口調で教えても,不愉快に思われるだけだ。

そんな先生の説明を聞いても頭には入らない。むかつくだけだ。

気持が落ち込むだけだ。ストレスが増すだけだ。そんな事をしてはいけない。

 

一期一会。

今が全てではない。

こいつはこれでもこれから俺よりも偉くなるやつなのだ。

そう思うのが当然。

そうだ,こんな俺みたいなクズが偉そうにしてはいけない。いけないのだ。

 

一期一会。

できることをする。