塾日記 2003.8.1−8.31

 

白いスペクトルの魔法使いの年 月の月

8月24日。

 

 

夏は生徒にカリキュラムを組ませる。授業の曜日、時間は自分で選ばせる。

内容はこちらで決めるが、それをどうやるかは任せる。

自分で自分を動かす。それが欠けてるのだ、彼らには。だからそのトレーニングをする。それが一番彼らがしなければならない事だ。

だが結局進まない。

後半はこちらで締めるしかない。さらにその後も彼らに暗中模索をと思わなくもないが、時間がない。それで分からないまま2学期に入ってしまえば、さらに状況は悪くなる。そこが辛い所なのだ。

 

前半にみんな来る。前半でやってしまって後半は遊ぼうというのだ。

別にそれはかまわない。一こまの人数は多くなるが、頑張って教える。

大体の子は1学期の復習が中心になるから、問題演習になる。ひたすら採点をする。すぐには教えない。じっくりと自分でテキストや教材やコンピュ-タを見て、解答をさがさせる。休みだからそうしたことに時間が使える。

 

だがなかなか進まない。

結局後半はこちらから教える事になる。

 

小学生は計算、とくに割り算を忘れる。

中学生は、図形、一次関数を忘れる。

いや、きちっと覚えている所などそうはない。

 

時にはお前一体どこに脳みそ置いてきたんだよ、と心の中で叫ぶ事もある。

自分が教育者ではない事を改めて自覚する時だ。

 

クールに、クールにと思う。

自分が腹の中で何を思おうと関係なく、生徒にその問題の解き方を、理解ができるよう言葉に苛立ちが出ないよう気をつけてゆっくりと説明をすればいいのだと言い聞かせる。

だが同時に、そんなことは全部きっと生徒には伝わっているのだろうとも思う。

馬鹿呼ばわりされている事は感じているはずなのだ。

子供は敏感だ。いいも悪いも敏感だ。特に悪い感情に対して敏感なのが今の子の特徴だ。悲しいことにそれが特徴だ。だからきっと今の苛立ちは伝わったと思う。まずいと思う。ごめんなさい、ごめんなさいと思う。