塾日記。2002.2.1−2.28 2月1日. ファックスでの作文授業を教室の生徒で始めた. 「読解・作文教室」に入る前に実際に教材を使ってやっておくべきだと考えたからだ. それにもともとやりたかった.授業内ではできなったのだ. それに何もWEB版で非会員を対象にする必要は無い. 目の前に生徒はいるのだから. 普段の宿題もやってこない連中だが、意外と送ってくる. しかしよくチェックしておかないと誰にどこを送ったかがわからなくなる. きちっと記録を取っておかないとだめだ. 「日本語文章能力検定」 いいのを見つけた. 知らなかった.いいタイミングで見つけた. これをとる為にと言うのも、売りになるだろう. まずは全級読み、問題もやってみて、どう取り入れるか研究しよう. 2月3日.日曜日. Web版作成したが、実際にアップすると字が大幅にずれている.これを直さなくてはならない.こういうのが面倒なのだ. ホントに面倒なのだ. いらつく.1つずつ画面を確かめなければならない. 明日明後日で完成する. 作文は子供たちの悪魔払いの儀式だ. 本来子供たちが持っている想像力を自然な形で出させるための、要らぬものの排除. それが作文. こちらの立場はカウンセラーだ. 彼らの悪魔を引き受けること.それがカウンセラーだ. しかも悪を食ってなお盛ん。 それでなくてはならない. こっちが純や正直や誠実や善を犠牲にするのではない. ともに栄えていくのが作文の実践現場だ. わかるかな. 2月4日.月曜日 昨日今日で私立が終わった. やはりホッとした顔.晴れ晴れした顔. だが発表は6日. どきどきもんだ. 作文、10年後の私、高校生活でしたい事、100人の村. どれも練習したもの. みんな書けたと言った. 少しはお役に立てたわけだ. 作文の本道ではないが、書けたのだからそれでいい. 受かってくれ. ここに来て今年の何かえらく静かな3年生達とも、心触れ合うような感じが少し. 2月5日.火曜日. 小学生の6年まで来て、中学は他塾、中2の秋に国語が伸びないという事で、国語だけでまた通熟し始めた男の子.市川合格. 母親は泣き、父親は我が子とは思えない、と喜ぶ. まだまだ自分の興味関心の見出せない子だが、よくがんばった. 言われたことはやろうとする. トップ校、トップ校近くの国語は、自分独自の考え、感じ方を持っていないと解けない. 彼にはまだそれがないので、こちらで入れ込んだ. 何とか合格はしたが、問題はこれからだ. 小学校と比べれば、随分と大人になったが、人生を彼には語りたい. 母親、生徒を迎えに来たついでに挨拶. 深々と礼. そういう事. 色々あったが、こうなるのだ.そう、やったもん.必死で. だから合格. だから感謝してもらえて、それはある意味当然. そこまで堪えたやったもん. でないと、やっぱ、信じられないでしょ. やったから感謝される. でしょ? 2月6日.水曜日. 今日が発表. 気になって生徒にメールした. 「どうだった?」 送受信. 送った後の受信で、「合格した.」とメール. 一瞬フリーズ. 感動. これだよね.これ. 嬉しい.嬉しい.嬉しいよ.こいつがメール送ってくれた. メールなんて送らなかった奴が. (>_<) 2月8日.金曜日 案の定落ちた.当たり前だ.勉強をしないからだ. 言う事を聞かない. しかし本人に悪気はない.だが嫌いな事をやってると突然頭が真っ白になり、知らぬ間に時間が10分、30分、1時間と家では経ってしまうらしい.. それはそれで1つの才能かとも思う. 確かに絵はうまいし、パソコンも扱える.ホームページを作り管理人をやっている. だが今は高校にいけるかいけないかだ. まるで子供の子だ.自分ひとりでやってはいけない.なら高校ぐらいは入っておかなければならない. 今日から毎日ファックスで、やり取りをする. さっき送ったら、寝ようと思った1時半、返信があった. 少しはやる気になったのか. 遅すぎる.推薦に落ちて、一般受験まで20日しかない. 中学生3年やってきて、20日間ぐらい勉強をやってほしい. 2時に採点して送った.眠いぞ. もう一人.私立推薦合格.だがそれで科を変えて、一般受験で再チャレンジ. しかし本人の力的には職業科でこれで十分. 親が職業科より普通科を望んだのだろう. 無理. だから普通科は落ちた. 本人には職業科でガンガン資格をとり、人より早くスタートをすることをいう. P検5級を高校生になるまでに取ることをいう. 気持ちを切り替えるのだ. 普通科を落ちたからどうのこうのではない. 関係ない. いる場所に引きずられてどうする.自分の気持ちをしっかり持っていればそれでいい. P検.5級.高校生になるまでに取れといった. これで彼の気持ちも変わったはずだ. 気持ちだ気持ち. ウダウダ言ってる暇など無いだろ!(わしもな.) 2月9日.土曜日. 推薦落ちた女の子. あとは一般でいちかばちかやるしかない. 小学校の4年から中1まで通い、その間やる気なし.まったくの子供.いつもボーとしてるだけ.絵を書くのはうまいが、勉強への意欲なし.それで退会. しかし中2年の秋、このままでは高校に入れないということで再入会. それ以後見ている. 相変わらずやる気なし.気のいい子で、それはそれでかなりいい子で、それはそれでいいのだが、高校にいけなければしょうがない. その後も宿題は全くやらず、何の心配も本人はしてこなかった. きっと本人は今回の推薦で合格できると思っていただろう. 甘い. 当然だが、落ちた. これで尻に火がつくか. あと20日間しかない. ところがしかし、本人平気. 教室へは週4回来させているが、足りない. そこでファックスで間を埋めることになった. 今日も問題を送った.授業が終わって、帰って、11時だ.食事もしていない.でも頑張って問題を送る. が、ファックスが通じない.電話をした.本人が出て、何でも設定がどうとかこうかという.頭に来た. 母親だとわかるという. お母さんはどうしてると聞くと寝てるという. 起こして来いという. さすがに母親は恐縮していた. 明日また送ることにした. ホントに疲れる. これを醍醐味としたいところだが、それは合格してのことだ. 今回のこの子は、キツイ. 合格しないかもしれない.中学浪人.ありえるのだ. 最後はうまく行くとも思うが、それはこの2週間にかかかってる. 2月12日.火曜日. 11日12時. 中3の女の子からファックス. 多項式の計算.40題. やってたんだ. 嬉しかった.すぐに採点解説してオヤスミと書いて送った. とりあえず、よかった. 2月15日.金曜日. 中3の子、やっている. 初めての勉強. この期に及んで、どこまで進めるか. 志望校の倍率は1,7. 何とかならないか. 神社への神頼み. しばらく続ける. ファックスは帰ってくる. 教室でも10時半まで頑張っている. とはいえ、ほかの子は当たり前にもっと前からもっとやっているのだから、今頑張っているからといって、それで合格したら落ちた子に申し訳ない. そうも思う. 授業が終わると教室のコンピュータから自分のホームページにアクセスして、掲示板の管理. そういう事は感心する. そういう頭はあるのだ. HTMLも知っている. 家ではコンピュータは禁止. 授業が終わって母親が車で迎えに来る15分が唯一のコンピュータ時間. 2月18日。月曜日。 生徒からどうして勉強しなきゃいけないのと聞かれた。 人の役に立つ為。と答えた。 納得顔だったのが意外だった。 2月24日。日曜日。 さすがテスト前なので、ファックスが帰ってくる。 しかし日曜日酒飲んで酔っ払ってるときはちょっとむっと来る。 間違って添削してはまずいので、ぐっと気を入れる。すると酔いが消える。 せっかく週に1度の酔いが消えるのがもったいない。 しかし日曜日、生徒も勉強して送ってくるのだから、こっちもブツブツ言いながらも、ちゃんと返さなければならない。 な。 2月26日。火曜日。 学力テストが終わった。明日は面接。 まだ決まっていない二人、一人は電話がかかってきた。学力は良かった。 何か面接でのアドヴァイスはと聞いてきた。 腹をくくれといった。 気の小さい子だ。 最初にハイッと大きな声で返事してから話せと言った。 電話の声が小さかったので、声が小さい!と言ったら、ハイッと大きな声で応えて来た。 よしっと言った。 こいつは大丈夫だろう。 問題は例の女の子だ。 でも実は大丈夫だと思っている。そんな運を持っていると思っている。 でももしだめだったらあせる。 かなりあせる。 |