塾日記 2001.8.1~31 8月4日. 怒らない怒らない. 夏の復習が一番疲れる.何でアンだけやった事みんな忘れるんだ.学校ではそこそこ3,4,5を取ってるのに,もう最初のころの事は忘れている.疲れる.驚く. みんな英語の文法とか,文字式とか忘れたがっているんだな. 嫌で嫌で覚えた事はせめて夏休みには忘れていたい. そういう事だ. それをまた思い出させている僕は,罪作りなのだろう. 8月14日.火曜日. 何か久しぶりか. 夏時間は忙しいからな.90分を5コマ. 問題演習中心だから採点で疲れる. しかも中1は数学が気を使う., 方程式は文字式で学校終わってるので,夏休みで時間空くとみんな忘れてしまう.そこであえて夏休み方程式には進んで行くが,なかなか最初は進まずお互いストレスがたまる. 何とかお盆前に中1全員入れた. あとはこのお盆休みで消えてなくならないよう祈るだけ. でも忘れてるんだよね. 8月27日。月曜日。 21日から26日まで白子で中3勉強合宿。 国語と作文を担当。 だんだん大人しくなる。いいけど,真面目できちっとしてるんだからいいんだけど,ちょっとつまんない。 前は例えば,うちの教室の男と別の教室の女の子とがよく「かっこ良い」の「可愛い」のとキャッキャ騒ぎ,おまえ等何しに来てんだ,勉強合宿だぞここは!と怒鳴りながらも面白かった。 朝は早くから起きて10キロ生徒と走ったりと,あれこれと楽しかった。そういうのがだんだん減っていく。 以前は3時4時と見回らなければならなかった。 大概ゲームしてたり,出歩いたり,他教室,他の部屋と会っていたりと色々あって,それを追いかけ回すのがまぁ,面白かった。 だんだんそういうのは無くなる。 みんな言う事を聞く良い子になる。良いけど,物足りない。 授業でしゃべってお終いなら,何のための先生?となる。 と同時に,もっとレベルの高い授業を,打てば響く授業をとも思う。うちの子達,もちろん千葉高,千葉東,市立千葉,千葉女,長生,と入れているが,半分近くの子は,まず県立の国語の問題でも読めない漢字が結構あり,そこからのチェックから始まる。 時にうんざりすることもある。 しょうがないかなとも思う。みんな気は良い子なのだ。 だが気が悪く,腹が黒く,頭の良い子も教えてみたいとも思う。 作文の授業はそれなりに好評。 書けないのは考えた事が無いから。書くことで考える。 書き終えたあと,自分はこんな事を考えていたのだとわかれば良い。結局授業では作文にはならないが次につながる。家に帰って新しく作文が書ける。 作文。 相変わらず自主規制が意識的,無意識的にかかっている。 それをはずしてやること。それが大事。 「10年後の私」 R.N ピアノの先生. ピアノの先生との思い出を思い出させる. 発表会でうまく弾けなかった時に舞台の袖で慰められたことをうまく書く. R.M 「ネールアーティスト」 おしゃれという外見の変化が内面の変化を促すことを表現. 自分自身にとってのおしゃれを考えさせる. M.M 「ホームヘルパー」 10年後結婚して子供がいて,頑固な老人と頑固な自分とが渡り合っている姿を上手に表現. A.O 「環境問題.」 言葉が大きく抽象的になりがちだったが,自分の身の回りの環境の変化,捨てられる粗大ゴミ,冷蔵庫,自動車を見て思い感じることを書かせル.正しく理念を語るよりも自分の感情と感覚を優先させること. H.N 「保母さん」 10年後になりきって,「今お昼寝の時間が終わって,また騒がしくなった.」と入る.うまいもの.「まだ私の苦手な連絡帳が残ってる.」と続く. 次に保母さんになった経緯が続き,終わる. そこで最後の締めに連絡帳を使うことを言う. ラスト,「さぁ寝ちゃいたいけど,今日1日を思い出して,連絡帳を書こう!」. この子はうまかった. I.Y「スノーボードの選手」 スノボーとの出会いを長々と書く. まだあまりメジャーではないスノボをどのようにトレーニングしているのかを聞き,家でのイメージトレーニングをメインに書かせる.本気の気持ちが伝わる. H.N 「幼稚園の先生」 先生になりたい気持ちを自分の経験から思い起こさせる. 幼稚園は楽しかったか? 幼稚園に行くのがいやだった.怖かった.それを幼稚園の先生がいつも自分を待っていてくれたことから勇気が湧いた. その事をメインに.ちょっと感動的. S.K 「美容師」 外見が変わる事で自分の内面がどう変わるかを聞く. 昔引っ込み思案で弱気だった自分が,シャギーを入れて友達から素敵と言われて,いつもよりたくさん話せた.それが意外に思えて,自信につながった.それをメインに.これもちょっと感動. この他にも作文まではいかなかったが,自分の過去の経験を思い出し,それを追体験することで今の自分を確認し,これからを新しく見ようとする子もいた. 作文とはそういうことで,こんな授業の中で一人一人の子の過去が語られる. それを中心としてしか作文は書けない. だが今の子は自分の経験,自分の過去に重きを置いていない.自分の過去なんて意味もなければ大事なことでもない. そうではなく,自分の過去は他の誰の過去よりも大事で,取り替える事はできず,たとえちっぽけで取るに足らない過去であっても,そこからしか何も生まれない事を実感してもらう.実感してもらいたい.その場が作文の授業なのだ. 8月28日。火曜日。 みんな来る。当たり前か。しかし8月の終わりのほぼ午後をつぶしてくる。勉強しに来る。しかも1次関数忘れてる,文字式,方程式忘れてる。不定詞,比較級忘れてる。 思わず怒る。彼ら怒られにやって来る。 すぐに怒らない,怒らない,勘弁勘弁と言わないと続けられない程,がっくりくる。 でも本人の方がっくりきてるんだから,その事しっかり踏まえなければ。 |