塾日記。4月1日〜4月30日。

卒業生とカラオケデスマッチ。2時から7時。延長して8時まで。

来れないと言っていた小5から通塾の女の子。都合をつけて来てくれた。歌がうまい。えらくうまい。感心した。宇多田ヒカルを平気で歌う。驚いた。声も可愛くハスキー。嬉しかった。

 

6時間。歌うのは大好きなので,大勢のカラオケはたとえ教え子と最後の時間であれ,待っている時間は長いし,子供達に歌わせようと控えると,よけいにストレスが溜まる。カラオケは一人で行くのが良い。しかしなかなか一人で行くのも恥ずかしいし。

 

やっぱしこういう場でホォ〜と思うことはある。英語が全然できない子が英語の歌をうまく歌っているのを見ると勉強法が他にあったのかと思ったり,日頃無口な子がカロゴンズのテーマを爆笑物で上手に歌ったり,マイナーで誰も知らない筋肉少女帯の歌を適確に歌うと,やはりこいつも中学3年間色々あって過ごしたんだなぁと思うし,面白い。

彼らにさっきメールを送った。

贈る言葉?まぁそんなもんだろ。面と向かっては言えない事。

これから日本は変わります。変わらないと日本は潰れます。

先生が高校,大学,大学院,社会人になった時も,日本は変わりませんでした。それでやっていけました。

世の中の常識や,流れに従っていれば,あるいはそれに反抗していればそれでよかったのでした。

 

しかし世界の仕組みが変わりました。

日本も変わらざるを得なくなったのです。

もう世の中の常識や流れに従っていく事はできません。

世の中の常識と流れが消えたのです。

 

そこでアドバイス。

 

まず英語。読めて,聞き取れて,話せる事。

次に日本の歴史,文化。日本の歴史と文化が世界の文化と歴史に大きな影響を与えます。勉強してください。

 そしてもう一つ。

 

正しき者,それは弱く,悩み多き者です。

強く悩み無き者に人の心も,世界の美しさも分かりません。

弱く悩み多き者が多くを知る事ができます。

多くの喜びを知る事ができます。

 

いさかいがあったら引いてください。

負ける勝負で負けてください。

損得を選ばなければならない時は損を選んでください。

優しくある事で,辛くなるのなら,つらくなる事を選んでください。

 

しかしことさら自分を追いつめることはしないで下さい。

追いつめることには,ただそうすることで自分の正しさを証明しようという嘘があるだけですから。
   

つまらぬ事にこだわらず,明るく前へと進んでください。

あなただってあと80年生きる事はできないのだから。

死という不治の病にかかっている病人なのだから。

 

明るく,したいことを,思い切り,やる。

好きなことをさがす。高校の3年間でさがす。好きなことを仕事にする。

それが一番。

明るく明るく。前向きに。

しかし暗さと弱さも忘れずに。

 

 二つあって一つ。

二つあって一つ。

ここがポイント。

 

反対のものが同時にあって,一つ。

矛盾する二つのものがあって,一つ。

一方を切り捨ててはいけない。

明るさ,暗さ。うそ,本当。強さ,弱さ。男,女,。大人,子供。美しさ,醜さ。

 

反対のものが同時にあってそれが正しい状態。

それがポイント。

 

 

 

 

こんな事を彼らに書いた。どうなんだろう。今言えること。今言えることを言うしかない。たいした人間でもなく平凡な人間であれば,今いえることを言うしかない。

 

 

これでこの子達とはお別れ。

 

ひまな時間できる。いい機会とする。忙しい忙しいでやってきた。

今年はじっくりと質を高めたい。

 

4月4日。水曜日。

 

そういえば,合格のお礼,来ていない親がいる。

二人ともかなりの所に入れた。挑戦だった。合格。何の連絡も挨拶もない。随分なもんだ。一人の子の親は宗教をやっている。きっと神様のおかげとでも思っているのだろう。だから嫌いだ。身近な他人のお陰を考えない。一方は電話で御礼ぐらいあっても良いと思う親だが,ない。

まったく情けない。腹がたつ。高い月謝払ってたんだから,とでも思ってるのだろう。

こちっとら,了見の狭い人間なのだから,腹のできてない小さな人間なのだから,そんなことに腹が立つ。

感謝されてやっと自分の価値と意味が実感できるのだ。こっちは。

それにしても礼儀を単に知らない。というだけだ。無視だ。

あんだけやって何の言葉もない。腹がたつ。

 

走っている時,以前経済的な理由でやめた子と母親に偶然あった。小5になっている。よくやったハイタッチ,やった。元気だった。照れた顔が嬉しかった。

中3の事が少しまぎれた。小さな人間だ。まったく。

 

46日。金曜日。

 

さあ今日から新学期,新学年。

人数が減った。質を高めるチャンス。

しっかり見る。

怒らない。怒らない。

怒らない。

でもみんなすごいんだよな。さっき言ったこと,忘れて。いい子なんだけどね。しょうがないか。

 

教えて聞いて忘れる。

その循環を切る。自分で調べ,自分で納得し,身に付ける。

そうした動きへと導く。

大きく構える。安心して自分で動ける場を作る。

場つくり。

もう一度今ある場所を見回し確認する。

 

春講習が終わり,3が抜けた新時間割での初めての授業。

厳しいメンバーだ。

 

本人達はいたってのんき。ほんとにのんきだ。

不安だ。心配だ。一日一日が勝負だ。こりゃ,大変だ。

 

4月7日。土曜日。

 

ああ,中3でWith my

 

もう一度,I  my  me  mine  を確認する。何度もやったよな。忘れちゃたんだよな。

 

いいよ。何とかするよ。もう10ヶ月切っている。いいよ。やるよ。やってやる。

行きたいこと入れてやる。

こっちは16年やってんだぜ。素人じゃないぜ。揺さぶって,追い詰めて,引いて,押して,行くべき所に行かせてやる。それがわしの仕事。

 

でももっと大きな仕事をしたい。あなたの人生を幸せにする授業だ。これだろ。しなきゃいけない仕事。

                                                                    

411日.火曜日.

 

新学期.

出てこない子がいる.家で親に反抗.そのあおりで塾にも来ない.

親がまた深刻になり祖母、父親、母親と、プレッシャーをかける.

 

子供もそれに合わせ応戦.双方で煮詰まっている.親にはほっといてやれといっているが、つい口を出し言い合いになる.

昨日は家に行き、母親に本人への手紙と、1週間分の教材を渡した.

 

通信添削の形で進める手筈をとった.親への反抗であり、僕への反抗ではないなら、そんな形から入り、通塾へと繋がると希望しているのだが.

3.学力は低い.家では切れてるという.

学校では部活を頑張っているし、友達の話でも荒れてはいないという.あくまでも親との関係が膨れ上がっているのだと思う.

 

来て欲しい.

まずは来週の回収が出来るかどうか.

おそらくやってないだろう.親への手前そう簡単にやりはしないだろう.

気持ちをほぐすことだ大事と思う.

4月15日.日曜日.

 

教育に携わっている.16年もだ.

それなりに役には立てたこともあると思っている.

 

今新学期.

もう一度しっかりと基本方針を立てよう.

 

基本は何だ?

 

自分で選べ、自分で決めることができる.

それが自分に合っている。楽しくそれができる.

そしてできるならそれが人の役に立つ.

 

そんな子を育てる.

 

 

そのための方法論と考え方、感じ方を示す.

 

それになるだろうか.

 

そしてそれを具体的に授業の中で示す.それが難しいのだ.

因数分解の中でどう示す.

単語を覚えていく中でどう示す.

 

具体的に考える.たえず、考える.子供への言葉がけの一つ一つで考える.

 

まずは教えない.

 

教えて聞いて忘れておしまい.

これがパターン.

調べさせる.

自分で動いたという時間を多く取る.まずはこれから.

 

英語では具体的な場面で使う英語を一つずつ教えていこう.

国語では短文けいこ.ある単語言葉を使って短文作成.短文も嘘作文.ありえない状況下での文章を書いて遊ぶ.

 

河童と窓.

 

その日その村はあまりに暑く、夜になっても村中なかなか寝付けなかった.

真夜中涼しい風が吹き始めた時、河童はそんな村人達のため、閉まっている窓を開けに川からあがった.

空には満月が輝いていて、風は涼しかった.河童は足音を立てないよう村を回り始めた.

 

 

とか?

 

 

まあ、いい。とにかく表現力とか、創造する力、それを教室の時間の中で多くする.

これを考えたいわけだ.

しっかりと授業を組み立て、実行する.

ここで態勢を整える.しっかりと授業を行う.

 

4月16日.月曜日.

 

ビラ配り、全教室で手渡しで約100件.内2件が申し込み.

良い確率だ.これを連休前に続け、ある程度になれば先が見える.

自分の教室で増員が出れば一番いいのだが、まずはどこでも良い、良い反応が出てくれれば先を見れる。

 

それにしてもアダプタ.5月10日入荷を待つしかないのか.

他の電器店にも確かにない.しかしアダプタ1個でなんでこんな事に.

 

 

4月18日。水曜日。

 

卒業生が5人来た。高3が1人,高2が1人,今年卒業が3人。

相変わらず性格も何も変わっていないが,公園の設計をしたいという。面白そうと言う。

話を聞くと街づくりに興味があるという。ほーと思う。環境対策が大事だという。ほーと思う。

そんな事を言うようになったのかと思う。

高2の子は数学が面白いという。ほーと思う。できなかったぜこいつ数学。学校終わったら何してると聞くと,カラオケか香水探しと言う。香水?

 

友達といい匂いの香水をさがすのだと言う。なるほど,それも今時の男子高校生であれば考えられる。

外面での自己表現であれば,茶髪にピアスに腰パンが当たり前であれば,あとは香水なんかが出てくる。

 

中身だよ中身という。

 

カッコも大事,中身も大事。両方磨けという。

 

いいよカッコだけで。疲れるジャン。ダメだ〜〜。しっかりせぇ。

 

今年卒業した子達は部活の事や先生のことや体操着を見せてくれたりした。元気一杯だ。嬉しい。

1学期に1一度ぐらいは顔を見せてほしい。

 

一人の子は街を歩いている時いきなり声をかけられた。この子は12月からの子で休みも多く,それほど通じてはいなかったと思っていた子だが,雨の中後ろからコツコツ走る足音が聞こえ振り返るとその子だった。

こんなのは嬉しい。

野球部でがんばっているという。

.3分の立ち話だが嬉しい。本当に嬉しい。

 

419日。木曜日。

来てなかった中3.

またプリントを持っていった。おじいちゃんが出て来てこんな事しても無駄。うちの孫は,ありゃダメだ。

もういい。無駄だ。と言われる。塾を続ける続けないでもめたくない。もういい。成績も上がらなかったし。

 

じいちゃん,ばあちゃん,父さん,母さん,全員でプレシャーをかけるのがまずい。どうせダメだと言う目で見るのがいけない。今はその時ではないかもしれない,ということを思いつつも善意の期待をかけてやることが大事。がんばれがんばれと本人にただ言うのではなく,それぞれががんばっている姿を彼に見せる。

皆でがんばれと言うだけが反発を引き起こす。

 

ここは切ってはいけない。何回も無駄であってもプリントを持ってくる。他人が何回も家に足を運んでくれているということから,何か気付くかもしれない。連休が明けたら本人と話をして彼の中に溜まっているものを出し軽くし,少しずつ気持ちを作る。ここで切ってはダメだと言う。

 

あんたんとこはやめさせてくれないのか。

やめるって言ってるんだよ。

 

ポンとプリント投げる。

 

 

疲れた。

ダメだ。お終い。こんな感じであっても最後はうまく言った経験は何度もある。今回もここで雨降ってと思っていたが,じいさんの登場は考えていなかった。どうせその辺のできる子相手の教える側中心で進める塾と思ったのだろう。そうじゃないんだけどね。

 

もう少し時間をくれれば変わっていったのに。

 

それとも甘いか。

家の中ではもっと修羅場か?

 

今回も初めて。いつも初めて。その子は初めて。

 

前の経験で逆に手当てが遅くなったか。油断があったか?

 

4月20日。金曜日。

できない子はできない。さっき言ったことも忘れる。

怒らない怒らない。

得意不得意はある。バスケならできる。優しい心がある。正直がある。

それもなくても時は来る。今が時でないだけ。

そのための準備をする。

くれぐれも怒らない。感情に流されない。

 

4月21日。土曜日。

20日ヨドバシからテル。届いたという。よかった。NECにアダプタの修理を頼もうと思っていた矢先だったのでよかった。予定より20日も早かったのは色々と動いてくれたからか,感謝。

 

4月22日。日曜日。

 

空きゴマを作りそこで特別クラスを作る.外部生を募る.会員は無料.

「読解・作文講座」

 

これまでのように名作を読み,作文も高校受験,推薦対策もの.そしてそれに加えて,アニメや歌詞も使う.

 

「サクラ対戦」「クレヨンしんちゃん」「ちびまる子ちゃん」とか,「ドラえもん」,あゆとか,宇多田,モー娘,ダパンプ,ドラゴンアッシュ,吉田拓郎なんかも入れる.

 

これ考えよう.きちっとカリキュラム作ろう.

 

読解教室は,人の心の複雑さ,弱さ,悲しさ,もろさを当たり前のものして感じられる想像力と力,そして強さを求める心を読む事から知り,育てる.

 

作文は自己表現.

まずはストレス解放.良いも悪いも溜まった悪いものを吐き出す.

そして自己表現.

良いも悪いも自己表現.

自分自身の輪郭を明確にする,自分を知る.そのための書くということ.

 

その前に見本手本を見せる.数多く見せる.

思ったままに書く,思った通りに書くなどできはしない.

そんなことのできる環境もなければ,才能もまれだ.

まずは見本手本を即興で見せる.

こっちも大変.それ当然.

 

カリキュラムを考える.真剣に考えよう.

 

424.火曜日.

 

卒業生がまた来た.

メールで練習が地獄,辛い,もう無理と言ってきた子.陸上の推薦で行った.早くも練習は本格的にやっているようだ.誤字だらけのメール.

 

大丈夫,あなたの潜在能力はもっとある,2ヶ月で慣れるとメールしておいた.

 

けっこう元気な顔.真っ黒になっている.日はそんなに強かったか.

やってるんだ.

顔が引き締まっている.

練習のメニューを興奮気味に話す.話し終わるとゆったり落ち着いた表情.

笑い顔が良い.

好きなことをやっているからだろう.

いい感じ.このままいってほしい.いいよな若いってさ.

 

 

4月28日.金曜日.

 

今日も卒業生来た.嬉しい.

遠足だったと言う.横浜に行き,肉まんをお土産に持ってきてくれた.

高校は面白いと言う.委員長になったと言う.ガールフレンドもできたと言う.話している間にもケータイかかってきた.いい滑り出しだと言う.

 

真面目な子でいつも勉強に集中し,しかしこちらのギャグにはいつも一番に反応してくれた子だ.

 

10年後の自分と言う作文を書かせた時は,会社の一番平社員ではあるが,社内の雰囲気を盛り上げる貴重な存在となり,宴会でも大活躍,平でありながら特別手当をもらうという社員になっていると書いた.教室ではそんな感じはなかったので,意外だった.

 

高校生になって,そういった面が出だしたのか.

大きく化けていく子かもしれない.

楽しみだ.